今回は高年収で有名な株式会社キーエンスの業績や株価予想をしていこうと思います。
キーエンスの強みはソリューション営業力ということがよくわかりました。
キーエンス(6861)の概要
高年収で有名なキーエンスですが、扱っている商材は主にセンサーや測定機器、各種処理システムなどの比較的地味な商品です。
これらの商品を扱うキーエンスは総合FAメーカーと言われることが多いです。
FA=ファクトリーオートメーションとは、工場などの生産現場の製造工程を自動化するシステムのことで、工場はFAを導入することで、生産性向上や不良品削減、自動化などが実現できます。
キーエンス(6861)の業績推移と分析
まずは業績推移を見てみます。
参考:キーエンス 決算短信等を元に管理人作成
現在まで右肩上がりに順調に成長してきたことが分かります。
こちらは8年分しか記載がありませんが、過去25年間の平均成長率も10%超とかなりの成長率です。
最近は海外への事業展開も積極的に行っていますが、海外事業も平均成長率が20%を超えています。
また、こちらに記載はしていませんが、営業利益率が54.1%と非常に高い水準で維持できているのが特徴で、キーエンス製品の競争力の高さが表れていると言えます。
元キーエンス社員が語るキーエンス(6861)の強み
業績的には超優良企業と言えるキーエンスですが、キーエンスの営業利益率や競争力の高さは、営業手法や経営戦略からもたらされていると言えそうです。
元社員にヒヤリングをしていると大きく4つの強みが見えてきました。
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ファブレス経営
キーエンスは自社工場を持たずに生産を委託するファブレス経営を取り入れています。
これは設備投資をしなくていいのはもちろんのこと、様々な工場と協力して、多種多様な商品を柔軟に生産することが可能なことを示しています。
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ニーズを汲んだ営業と開発
キーエンスの営業担当者は、工場などの現場で直接ユーザーのニーズや課題を収集してきます。
そして、そのニーズや課題を解決するような商品を社内で開発する、という現場ニーズに即した営業と開発体制があり、この営業と開発の仕組みがキーエンスの強みと言えます。
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商品力の高さ
営業と開発、ファブレス経営の結果として、現場ニーズを満たすような今までにない商品が生まれることも多く、新商品の多くは業界初だったりするとのことです。
商品力の高さが伺えます。
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値下げをしない
値下げは極力しないらしく、値下げして売っていると社内では過ごしにくいらしいです。
ユーザーと折り合った値段がユーザーが満足する値段なので、商品開発力が高いキーエンス商品は、値下げをせずとも高く売れるのが当然な気もします。
キーエンス(6861)の業績分析と株価予想
これまでの8年間の業績推移をもとにキーエンスの株価予想をしていきます。
まずは過去の経営数値をまとめてみます。
現在までの業績を100%反映しているのが【妥当】で、【妥当】×80%したものが【保守的】の数値になっています。
※株価は8月31日時点の終値(62,900円)を用いています。
業績推移をまとめてみるとキーエンスはこれまでも確実に高成長をしてきたということがよくわかります。
キーエンスは25年間ずっと成長してきたという事実も踏まえ、過去のこれらのEPS成長率、現在の配当金などが今後も維持・成長するという前提を元に株価予想と収益予測を行っていきます。
上表の通りとなりますが、 現在から8年後、【妥当】レベルで約104%、【保守的】レベルでも26%の投資利回りが確保できそうという予測ができました。
この予測株価におけるPBRは【妥当】レベルで2.3倍、【保守的】レベルでは1.9倍となっており、実勢の4.8倍よりは低く、少し現実的な数値となりました。
【妥当】レベルで約104%、【保守的】レベルでも26%と、これまで分析した企業に比べあまりリターンが見込めないのは、キーエンスの現在の株価が高いからと推測できます。
結論
キーエンス(6861)は暴落後に買うべき銘柄
キーエンスの強さは営業の仕組みや経営戦略からもたらされる競争力の高さにあると言えます。
この営業方法やファブレス経営などの戦略は今後も引き続き維持・向上されていくものと考えられるので、高利益体質は継続していくものと考えて良いと思います。
海外展開も積極的で、今後も楽しみな企業だと思います!
一方で、現在の株価水準は少し高いように感じられるので、市場が暴落後に割安で購入することができれば、成長性も含めてかなり良い投資ができると言えそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
キーエンス(6861)の強さはなんといっても会社の経営戦略と、その戦略を実行できる営業・開発体制だと思います。
ニーズをとことん拾い上げてくる営業はかなり難しそうな気がしますが、この企業文化や営業組織体制が継続する限り、キーエンスは今後も業績を伸ばせていけそうです。
海外事業の平均成長率も高くこれからも楽しみな企業です。
どのような企業に投資をする際にも、今回のような分析は必須です。
今回は簡単な業績分析から株価を予測してみましたが、管理人が財務分析などの定量分析をする際は下記のような方法で行なっています。
また、今回は定性分析は行なっていませんが、定性分析をする際はこのような手法で行うことが多いです。
>> 企業の定性分析 〜定性分析の手法:3つのフレームワークで分析してみる〜
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