1/11に発表された決算情報を基に企業分析をしてみましたので投資案件として参考にどうぞ
スターマイカとタマホームの決算発表
・スター・マイカ <3230> *下方修正
18年11月期の連結経常利益は前の期比8.8%増の32.4億円に伸びたが、19年11月期は前期比28.8%減の23億円に減る見通し。
・タマホーム<1419> *上方修正
19年5月期の連結経常利益を従来予想の47億円→72億円に53.2%上方修正。増益率が16.7%増→78.7%増に拡大し、6期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。主力の注文住宅の受注が好調なうえ、販売用不動産の売却益を計上することも収益を押し上げる。業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の45円→50円(前期は30円)に増額修正した。予想PERが13.3倍→8.6倍に急低下し、割安感が強まった。
以下の分析は2019/1/11の決算短信に基づいています。
<スター・マイカ>
中古マンション・リノベーション事業を中心とした不動産会社
*企業力指数による評価・・・2/5点
収益力指数 | 1.12 |
支払能力指数 | 1.32 |
活力指数 | 0.48 |
持久力指数 | 0.37 |
成長力指数 | 1.04 |
企業力指数 | 0.86 |
各指数でみると、活力指数と持久力指数が弱いため、資産に対して売上を生み出す力が弱く、財務体質としてもリスクがある状態と言えます。全体の企業力指数としては0.86と1を下回っており、上記のマイナスを成長性・収益性等でも補え切れておらず、良い状態とは言えません。
*キャッシュフロー分析・・・2/5点
営業キャッシュフロー | -4709 |
投資キャッシュフロー | -59 |
財務キャッシュフロー | 6557 |
キャッシュフロー | 1789 |
キャッシュフローで見ると営業キャッシュフロー・投資キャッシュフローがマイナス、財務キャッシュフローがプラスでそれほど良い状態とは言えません。
キャッシュフローのタイプとしては事業再生タイプ2型ですが、投資の額からすると積極的に攻めている状態でもないですね。事業で失った資金を借入で調達した状態ですね。
*総評・・・2/5点
企業力指数も悪くキャッシュフローの状態もあまり良くはないので、あまり投資対象としては適していないかもしれませんね。
<タマホーム>
個人向け住宅や分譲マンションなどを手掛ける住宅会社
*企業力指数による評価・・・3/5点
収益力指数 | 1.04 |
支払能力指数 | 0.85 |
活力指数 | 1.94 |
持久力指数 | 0.21 |
成長力指数 | 1.04 |
企業力指数 | 1.01 |
各指数でみると支払能力指数と持久力指数が非常に低く、借入が多いレバレッジの効いたリスクテイクな経営になっています。しかし十分な売上を生み出す力があり、全体としては企業力指数は1.01とレバレッジからすれば妥当な経営をしていると考えられます。
*キャッシュフロー分析・・・5/5点
営業キャッシュフロー | 8591 |
投資キャッシュフロー | -742 |
財務キャッシュフロー | -4934 |
キャッシュフロー | 2915 |
キャッシュフローで見ると営業キャッシュフローがプラス、投資キャッシュフローと財務キャッシュフローがマイナスでトータルでプラスと非常に良い構成をしています。
キャッシュフローのタイプとしては優良企業タイプ1型で、事業で稼いだキャッシュで新たに投資を行いつつ借金を返済した上で現金も蓄えており、更なる投資の余力も秘めています。
*総評・・・4.5/5点
現在の財務状態はレバレッジを考慮すると妥当な状態ですがキャッシュフローの状況は非常によいため、成長していくと共に財務体質はこれから更に改善していくと予想されます。投資対象としては中々良いですね。(キャッシュフローの状況を踏まえて+0.5点加点)
今回の分析にあたって利用している分析手法はこちらで解説しております。
・キャッシュフロー計算書はどうやって見るべき?
・企業力指数