なんとなく貯蓄して、老後に備えている気になっている方も多いと思います。
今の積立・貯蓄状況が、理想に対して現実的に考えるとどの程度ギャップがあるのか計算してみるのも大事です。特に若いうちから毎月1万円の使い方を変えるだけでも、老後の資産には大きく影響します。
老後は年金で暮らせるか?
最近は年金が減るとか、あまり若年層に良くないニュースが流れていますよね。年金に対する不信感を持っている方々も多いと思います。
本当に老後は年金で十分に暮らせるのでしょうか?
そもそも老後の資金って一体いくら確保すればいいのでしょうか?
まずはザックリ計算してみます
~具体的なケース~
- 家族:夫と妻の2人(子供は自立している)、2人とも60歳
- 持ち家あり(ローンは残り300万円)
- 就業状況:夫は60歳で定年を迎える
- 資産:不動産(持ち家)と金融資産(貯金と保険含む)2,000万円
上記の様な家庭を考えていきましょう。家もあるし金融資産も2,000万円あるし、なかなか良い感じの様に思えます
しかし、結論から言うと実はこの資産では寿命を迎える前に家計が破綻する計算になります。
これでも足りないのかって感じですよね。その詳細を解説していきます。
なぜ生活していけないのか?
老後の必要資金を考える上で必要な要素は
- 寿命
- 必要生活費
- 年金、退職金、金融貯蓄(貯金や保険等)
ぐらいです。
順番に見ていきましょう。
1.寿命
少しデータが古いかもしれませんが、日本人の平均寿命は
男性:83.14歳 女性:88.47歳 となっており、平均:85.81歳 です。
定年を60歳とした場合、残りの25年間を年金と金融資産で生きなければなりません!
2.必要生活費
全国消費実態調査によると、60歳〜70歳の家庭の必要最低限の生活費は28〜30万円/月という結果が出ています。
先ほどの平均寿命から考えると、必要最低限の生活を送るには、8,400万円が必要!ということになります。
3.年金、退職金、金融貯蓄(貯金や保険等)
- 年金:3,750万円
現在の所得代替率はおおむね60%ぐらいです。
所得代替率とは、現役時の年収のうち何%程度の年金をもらえるかという指標です。
今の20~30代が引退を迎える30年後はというと、所得代替率は50%前後まで下がると推測されています。
現在、年金は月額15万円程度なので、30年後は月額12.5万円程度と予測されます。
したがって、25年間で得られる総年金受給額は3,750万円となります。
- 退職金:1,500万円
日本の退職金の平均額は大学卒、高校卒、現場or事務等で色々変わりますが、概ね1,100~1,900万円といった感じです。
ここでは全体平均の退職金として1,500万円を用いていきます。
- 金融貯蓄:1,700万円
日本の平均的な金融貯蓄額は60歳時に約2,000万円/家計です。
また、60歳時に300万円程度の住宅ローンが残っていると言われていますので、実質貯蓄は1,700万円程度となります。
ちなみに、年収の10%を貯蓄すると、このくらいの貯蓄額となります。
老後生活の理想と現実のギャップ
先述の話で、老後に必要な資産は8400万円と分かりました。
一方現実的に用意できるお金はというと、
1,500万円(退職金)+1,700万円(貯蓄+保険)+3,750万円(年金)=6,950万円
つまり、1,450万円足りない!ということになります。これは、期間にして約4年分の生活費が足りないということになります。
この様にして二人夫婦の家計は破綻することとなります。いわゆる老後破綻です。
さらに言えば、長く生きれば生きるほどお金が足りなくなり、長生きリスクが出てきます。
自分の資産状況を簡単にチェックしましょう!
ここまではモデルケースの話です。では、実際に自分の資産状況ではどうなるのでしょうか。
ここでは平均的なサラリーマン家庭で考えた場合、老後何歳まで健康で文化的な生活を送ることが出来るかを計算できるツールを用意しています。
今後の資産形成の見直し・改善のためにも是非チェックしてみてください。
以下のフォームに毎月の積立額・運用リターン(年率のリターン・5%なら5と入力)・現在の年齢を入力してください。
*運用リターンのザックリ目安
-株・投資信託 ?%
-個人向け社債 ~5%
-個人向け国債 0.05%
-定期預金(ネット銀行) 0.02%
-普通預金 0.001%(ほぼ0)
*前提
・資産状況=年金+退職金+運用資産の総額
・資産寿命=年金+退職金+運用資産が底を着く際の年齢
・積立は定年退職(60歳)まで、その後も運用は同じリターンで継続。
・退職金や年金は一般的なサラリーマンの給付額(退職金:1500万円 年金:12.5万/月)
・健康で文化的な生活を送れる水準:30万円/月(2人暮らし)
老後の生活のためにできること
日本人の平均寿命は85.81歳と言われています。なので余裕をもって人生を送るには資産寿命は90歳くらいまであるのが望ましいです。
今の状況でもし90歳に満たない場合、豊かな生活を送るためには月々の貯蓄額を増やす・もしくはもっと投資に回す(リターンを大きくする)必要があります。特に若い方程少し変えたときの変化が大きいので、これを機にみなさんの資産形成状況を見直す機会になれば幸いです。
では具体的にどのように老後破綻を回避すればいいでしょうか?
老後破綻回避のためにできることは大きく分ければ以下の3つです・
- 貯蓄額を増やす
- 投資等で資産を増やす
- 60歳以降も働く or 他の方法で所得を得る
この中でどの方法が魅力的でしょうか?
1.貯蓄額を増やす
モデルケースでは、年収の10%と言わず18%を貯蓄していくと、貯蓄額が3,600万円程度(うちローン300万円)になりますので、純貯蓄額が3,300万円となります。
この資金であれば生活水準を多少落とすことで、寿命まで生活し続けられると言えます。
2.投資等で資産を増やす
低いリスクで長期間投資を行っていれば、複利効果により多額の資産を築ける可能性があります。
こちらは運用率4%で30年間運用したグラフになります。
※青:95%水準上限 オレンジ:95%水準下限 緑:貯蓄のみ
確率95%水準:2,032万円〜6,825万円
確率70%水準:3,045万円〜4,463万円
平均値:3,964万円
中央値:3,621万円
貯蓄のみ:1,850万円
※前提:①初期費用50万円、月5万円を投資 ②モンテカルロシミュレーションモデル(2,000回) ③リターンが正規分布に従う
このリターンを低リスクで達成するには分散投資が不可欠ですが、分散投資は資金力もスキルも必要で、なかなか難しいです!
難しい分散投資ですが、素人でも簡単にできるサービスがありますので、貼っておきます。
いわゆるAI運用ってやつです!
少額ですが、比較的リスクリターンが良いものとしてIPO投資があります。
IPO投資では証券口座をたくさん開設すれば、自ずと当選確率が上がっていきますので、個人的には超おすすめです!
IPO投資についてのまとめはこちらもあります。
<IPO用だけにでも開けておいた方がいい口座>
なお、今流行りのBitcoinやレバレッジでのFX等は、投資とは言えない程リスクがスーパー高く、投資というより投機・ギャンブルって感じです。
無くなっても良い資金や少額でやることを強くオススメします!
3.60歳以降も働く or 不労所得を得る
もし老後の蓄えが十分にない場合、その時点から資産を築くのは難しいです。
しかし、働いて所得を得ていれば老後の家計破綻の可能性が下がります。
コンビニかもしれませんし、前の職場に復帰する選択肢かもしれません。
自身で事業を行ったり不動産収入を得ることも、所得を得るための手段としてはありだと思います。
ただし、年齢的に就職できるかわかりませんので、やはりリスクヘッジのために資産を蓄えたいところです。
まとめ
老後の必要資産についてはいかがだったでしょうか?
年金があるから大丈夫!とおもっていた方には、かなり衝撃的な内容かもしれませんね。
でも、年金の受給額はかなり減少する方向性なのは間違いなさそうです。
これに加え、もしインフレしていったら、、、と思うと恐ろしいです。
自身の生活を守るためにも、若年期から自身で資産を築き上げていきたいですね!