キャッシュレスも進み、今やクレジットカードは日々の生活に欠かすことができない存在と言えます。
そんなクレジットカードの中でも、保持していると最も社会的ステータスが高いと見なされるのが『アメリカン・エキスプレスカード』、通称『アメックス』です。
というわけで、今回はアメリカン・エキスプレスの分析と株価予想をしていきます。
アメリカン・エキスプレスはバフェット銘柄としても有名です。
アメリカン・エキスプレス(AXP)の概要
アメリカン・エキスプレスは世界的なクレジットカード企業で、世界シェアは第4位を誇ります。
全世界でビジネスを展開しており、アメリカン・エキスプレスの会員数は約8,000万人とも言われています。
アメリカン・エキスプレスの事業は多岐に渡っており、クレジットカード事業の他にも、トラベラーズチェック事業や保険業、プライベートバンキング事業などを行なっています。
通称『アメックス』と呼ばれるステータス抜群のクレジットカード事業が特に有名ですね。
アメリカン・エキスプレスカードにも会員ランクがありますが、アメックスの最上位ランクであるブラックカード『センチュリオンカード』は幻と言われるほど入手自体が困難で、カード限度額は無制限とも言われています。
また、通常会員でも海外ホテルでアメリカン・エキスプレスカードを持っていること自体が身分保障になる程です。
この様な幻のカードや信用力の存在もあり、アメリカン・エキスプレス自体のイメージもかなりブランド化されています。
アメリカンエキスプレスの事業セグメントは以下の4つに分かれています。
- GLOBAL CONSUMER SERVICES GROUP
- GLOBAL COMMERCIAL SERVICES
- GLOBAL MERCHANT AND NETWORK SERVICES
- CORPORATE & OTHER
それぞれの詳細は下記のようになっています。
- GLOBAL CONSUMER SERVICES GROUP
個人向けのクレジットカードやカード以外の金融商品、その他個人向けのサービス(旅行関連、ライフスタイル関連など)を扱っている事業セグメントです。
2019年度の売上は23,579百万ドルで、売上の54%を占めている一番大きな事業セグメントです。
- GLOBAL COMMERCIAL SERVICES
法人や個人事業主などのビジネス向けのクレジットカードや支払いのマネジメントサービスを扱っている事業セグメントです。
2019年度の売上は13,528百万ドルで全体売上の30%を占めています。
- GLOBAL MERCHANT AND NETWORK SERVICES
アメリカン・エキスプレスが持つ顧客資産やデータを用いてパートナーのビジネスを加速させたり、アメリカン・エキスプレスブランドのライセンス事業を行なっている事業セグメントです。
2019年度の売上は6,645百万ドルと15%程度の売上構成です。
- CORPORATE & OTHER
アメリカン・エキスプレスのコーポレート部門です。いわゆるバックオフィス部門ですね。
法人・個人を問わずクレジットカードやその他周辺の金融サービスで事業が構成されていると認識すれば良さそうです。
アメリカン・エキスプレス(AXP)の業績推移
まずは、アメリカン・エキスプレスの業績推移を見ていきます。
参考:American Express Company Investor Relations SEC Filings より管理人作成
純利益は数年おきに減益があるものの、基本的には右肩上がりに推移しています。
ROEに関しては、25%を超える決算期も多く、低い決算期の数値でも12.8%と高い水準であり、アメリカン・エキスプレスのブランド力により収益性が確保できていると推測できます。
アメリカン・エキスプレスがバフェットも投資した銘柄というのも納得ですね。
ちなみに、アメリカン・エキスプレスはバークシャー・ハサウェイの投資ポートフォリオでは占有率7.8%(第4位)の銘柄です。
次に事業セグメント別の業績推移を見ていきます。
参考:American Express Company Investor Relations SEC Filings より管理人作成
個人向けのサービスが全体の53%、法人向けのサービスが全体の31%となっています。
アメリカン・エキスプレスは信用を商売にしている企業ということを考えると、両方の事業セグメントで10%程度売上が伸びているのは『信用が積み上げられて顧客開拓が進んでいる』『新しい市場を切り開いている』と捉えても良さそうです。
アメリカン・エキスプレスの株価分析と株価予想
まず、過去10年間の業績推移を分析していくと下記のようになりました。
平均ROEは24.7%と非常に高い水準であり、平均EPS成長率も17.8%と非常に高い成長率を維持しています。
一方で、PERは14倍程度になっており、適正な値と言えます。
アメリカン・エキスプレス(AXP)の強みは、何と言ってもそのブランドイメージです。
長年をかけて培われたブランドイメージは信用力の賜物であり、早々に崩れるものではないと考えられます。
また、世界経済の発展に伴い、インドや中国、アフリカなどでもキャッシュレスが進んでいることを考えると、
アメリカン・エキスプレスが今後も非常に高いROEを維持し、継続的に成長することは可能そうに思えます。
これらの前提をもとに、8年後の株価予想をしてみると以下のようになります。
現在の成長率を維持していった場合、【妥当】レベルで179.8%、【保守的】レベルで128.6%の投資リターンが望める予想となっており、
アメリカン・エキスプレス(AXP)は投資対象として非常に魅力的という結果になりました。
※2020年3月6日時点の株価 108.24ドル を元に PER 12倍 にて算出
この予想株価におけるPBRは【妥当】レベルで6.6倍、【保守的】レベルでは5.9倍となっており、現在の約4.08倍というPBRと比較しても少し低めの水準になってはいますが、割高水準での株価予測と言えます。
結論
アメリカン・エキスプレス(AXP)は成長力がある非常に魅力的な株
アメリカン・エキスプレス(AXP)はブランド力と高い収益性を強みとして、世界中にビジネスを展開しているグローバル企業ということがわかりました。
成長率も高く、プラットフォーム的なビジネスであるが故に、今後もブランド力や競争力は維持していけそうで、将来が非常に楽しみな企業と言えます。
こんなにも収益性や成長性が高いにも関わらず、PERは14倍前後、PBRも4.1倍とそれほど割高でもないのがより魅力的です。
また、クレジットカードなどは人々の日常生活に深く浸透しており、アメリカン・エキスプレスのビジネスが早々と縮小するとは考えにくく、リスクも限定的なように思えます。
したがって、アメリカン・エキスプレスは現在の株価水準でも十分に魅力的な投資対象企業と言えそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アメリカン・エキスプレスは長期にわたって高成長を続けている高い収益性を誇る企業であることがわかりました。
世界中でビジネスを展開できた大きな要因の一つに『アメックスというブランド力』があると推測できますが、
このブランド力は(不祥事を起こさない限り)半永続的に維持されるものだと思いますので、今後のアメリカン・エキスプレスがどのように成長を研げるのかも楽しみです。
株価は少し割高ではあるものの、現在の株価水準でも良い投資ができそうなので、魅力的な銘柄と言えそうです。
管理人はアメリカン・エキスプレス(AXP)を重要注視銘柄に加えて、投資をしていきたいと思います。
どのような企業に投資をする際にも、今回のような分析は必須です。
今回は簡単な業績分析から株価を予測してみましたが、管理人が財務分析などの定量分析をする際は下記のような方法で行なっています。
また、今回は定性分析は行っていませんが、定性分析をする際はこのような手法で行うことが多いです。
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