【米国株の企業分析】創業者は電話の発明者!AT&T(T)の銘柄分析と株価予想

AT&T(T)という会社を知っていますか?

アメリカの通信大手企業なのですが、投資家には有名で、配当利回りが5%前後もあることもある銘柄です。

過去には投資の神様バフェットがバークシャーを通じて投資をしていました。

今回は通信大手であるAT&Tについて分析していきます。

ちなみにAT&Tの創業者は電話を発明したグラハム・ベルです。

 

AT&T(T)の概要

AT&T(T)は米国における通信企業2強の一角で、売上高は20兆円弱で、純利益も1.5兆円近くあります。

2019年のForbesの世界通信企業ランキングでは堂々の1位をとっています。

日本で言うところのドコモやKDDI、Softbankみたいなイメージですね。

 

AT&Tは昨今、M&Aによる買収を多く行っており、日本人にも馴染み深いワーナー社もAT&Tの傘下になっています。

以前までのAT&Tは通信インフラ会社でしたが、通信インフラという川上からコンテンツ発信の川下まで含めた総合通信企業となるべく、垂直統合的な買収を行い事業の多角化を推進していると考えて良さそうです。

 

AT&T(T)の事業セグメントは以下の4つに分かれています。

  • Communications
  • WarnerMedia
  • Latin America
  • Xandr

 

それぞれの詳細は下記のようになっています。

  • Communications

米国や米国外における通信サービスを提供している事業セグメントです。

その他にも、DIRECTVやU-verseでの広告配信や企業向けのIPアドレスベースのサービスなども提供しています。

2019年度の売上は142,359百万ドルとなっており、全体の77%を占めている主要事業です。

 

  • WarnerMedia

お馴染みのWarner Bros. や CNN、TNTなどの放送局であるTuner、有料チャンネルを展開するHome Box Officeなどを含むセグメントです。

2019年度の売上は33,499百万ドルで、全体の18%を占めている事業セグメントです。

 

  • Latin America

メキシコやラテンアメリカなどの米国外において通信サービスやビデオサービスを提供している事業セグメントです。

2019年度の売上は6,963百万ドルで、全体の4%とかなり小ぶりな事業セグメントです。

 

  • Xandr

ビデオやデジタル領域におけるターゲット広告などの広告サービスを行っている事業セグメントです。

2019年度の売上は2,022百万ドルで、売上全体には1%しか寄与していません。

 

ニュースで有名なCNNがAT&T傘下なのは驚きでした。

事業内容を見るとわかるように、AT&Tは『通信サービス事業』『WanerMedia事業』の2つの柱で成り立っており、AT&Tの競合企業としては以下の会社が挙げられます。

 

通信サービス事業での競合

  • ベライゾン・コミュニケーションズ:世界通信企業ランキング2位で最大のライバル企業です。
  • Tモバイル:ドイツ企業ですが、アメリカでも通信事業を行っています。
  • スプリント:ソフトバンクG傘下の通信企業として有名ですね。

 

WarnerMedia事業での競合

  • Amazon:Amazon Primeで映画やアニメ、オリジナルコンテンツなどを配信しています。
  • Netflix:映像ストリーミング配信やオンラインDVDレンタルなどを行っています。

 

また、AT&Tは高配当株として有名で、配当利回りも5%近くなることもある上に、配当金は驚異の35年間連続増配中です。

一方で、通信インフラ業界もコンテンツ業界も非常に厳しい競争環境にあるため、この配当状況を今後も維持できるかどうか、AT&Tの業績や財務内容を注視して判断する必要がありそうです。

まずはAT&Tの過去の業績推移を見ていきましょう。

 

AT&T(T)の業績推移

AT&Tの過去10年間の業績は以下のようになっています。

AT&T 業績推移 売上推移

参考:AT&T SEC Filingsより管理人作成

 

業績は10年間の間に激しく変動しており、2年に1回程度のペースで業績悪化が起きています。

特に2016年度以降では4年度のうち3年度でマイナス成長となっており、競争の激化などによる業績悪化が見て取れます。

一方、純資産は右肩上がりに推移しており、順調に積み上がっていると捉えて良さそうです。

 

次に、事業セグメント別の業績推移は下記のようになっています。

AT&T 事業別 事業セグメント 売上 推移

参考:AT&T SEC Filingsより管理人作成

 

Communications事業の平均売上占有率が85%と非常に高く、売上が一つの事業にを偏っているのが非常に印象的です。

一方で、2019年のCommunications事業の売上は全体の77%で、Warner社の買収により事業の多角化を目指している過渡期であるのが想像できます。

 

AT&T(T)の株価分析、株価予想

まずはAT&T(T)の過去10年間の業績推移を分析していきます。

AT&T 株価分析 株式分析

 

平均ROEは10%を超えており好意的に見えますが、EPSが▲0.81%とマイナス成長です。

現在の株価水準では、PERは15.7倍と平均的な値になっています。

こちらには記載していませんが、配当は株価29.84ドル(2020年3月27日付)に対して配当金が2.04ドル(2019年実績)となっており、6.84%と非常に高い配当利回りを確保しています。

 

AT&Tは通信インフラ企業として安定した売上を確保できているものの、最近では競争の激化などにより収益が悪化しており、メディア事業なども併せて展開していくことで、総合通信企業として事業を多角化していくことを目指していると考えられます。

一方で、多角化候補の一つであるWarnerMedia事業は競合企業であるAmazonやNetflixが圧倒的に強いイメージがあり、実際にどれだけの競争力があるのか推測するのは非常に困難です。

 

上記のような企業環境がそれほど変化しないと仮定した場合、8年後のAT&Tの株価予想は下記のようになります。

AT&T 株価予想 株価予測

 

現在の成長率を維持していった場合、【妥当】レベルで▲27.8%%、【保守的】レベルで▲13.3%%の投資リターンが望める予想となっており、

AT&T(T)は投資対象として全く魅力的ではないという結果になりました。

※2020年3月27日時点の株価 29.84ドル を元に、PER12倍にて算出

 

この予想株価におけるPBRは【妥当】レベルで0.6倍、【保守的】レベルでは0.7倍となっており、現在の約1.2倍というPBRに比べて半分程度の割安な水準になりました。

 

結論

AT&T(T)は配当は高いが、投資対象としてはあまり魅力的ではない

 

AT&Tは通信という社会の根幹を司る安定事業を柱にしている大企業であるため、収益はプラスで安定しています。

一方で、競合他社(ベライゾンやスプリント)との競争激化から収益性が悪化していると考えられ、特に直近5年間は厳しい内容になっています。

多角化をするにも、多角化事業先には非常に強い競合(Amazon、Netflixなど)が存在し、事業を今後大きく展開するのは非常に困難そうです。

したがって、事業内容からの判断した場合、株式投資には向いていないと銘柄と言わざるを得ませんでした。

倒産などは考えにくいことを加味して、株価暴落時に購入し、株価が回復してきたら高配当株好きの投資家に向けて売却するという短期的な取引は可能かもしれません。

 

ちなみに、バフェットも2016年に全株式を売却しており、やはり継続的な成長が見込める会社ではなくなってしまったことが原因かもしれません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

世界通信企業ランキングでは堂々の1位をとっているAT&T(T)ですが、実際の業績はあまり安定していないばかりか、少しずつ収益性が落ちていることがわかりました。

配当利回りが高いことは確かなので、高配当狙いでの投資はアリかもしれませんね。

今後、WarnerMedia事業がAmazonなどの競合との差別化が図れ、多角化が成功した場合には、安定した通信事業と成長力のあるメディア事業を持つ企業となりそうではあるので、WarnerMedia事業の動向に目を配らせたいと思います。

 

どのような企業に投資をする際にも、今回のような分析は必須です。

今回は簡単な業績分析から株価を予測してみましたが、管理人が財務分析などの定量分析をする際は下記のような方法で行なっています。

>> 金融知識を学ぶ【企業分析】

>> 財務分析の方法 〜基礎編&実践編〜 

 

また、今回は定性分析は行っていませんが、定性分析をする際はこのような手法で行うことが多いです。

>> 企業の定性分析 〜定性分析の手法:3つのフレームワークで分析してみる〜 

分析や投資判断の参考にして頂ければ嬉しいです!

 

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