投資をする際にリスクはつきものです。
巷では「投資に失敗した結果、破産した」「もう1,000万円も含み損がある」などの話が絶えないと思いますが、
そもそも投資のリスクって何かご存知でしょうか?
今回は、投資のリスクとか何かを紹介していきます。
リスクの正体ってなに?
いきなりですが、リスクとは何を指すでしょうか?
投資で損をすること?それとも、資産額が減る可能性のことでしょうか?
投資の世界では、リスク=変動の激しさ(正式には、ボラティリティの高さ)を指します。
例えば、下記の2種類の株式は、どちらがリスクが高い=変動が激しいでしょう?
この2銘柄でリスクが高いのは株式Xです。
理由としては、価格の変動が激しいからです。
3ヶ月前は同じ価格で、今も同じ価格ですが、株式Yが最大で200円しか変動しないのに対して、株式Xは最大500円も前後します。
これが『変動が激しい』ということです。
この変動の激しさをボラティリティと言います。
ボラティリティ=価格変動の激しさを示す指標
ボラティリティはあまり聞きなれない言葉ですが、ファイナンスの世界では、嫌という程出てくる言葉です。
上述したように
- ボラティリティが高い=価格変動が激しい
- ボラティリティが低い=価格変動が安定している
という事ができます。
したがって、一般的には、
- ボラティリティが高い資産(株、FX 他)は、ハイリスク・ハイリターン
- ボラティリティが低い資産(国債 他)は、ローリスク・ローリターン
となります。
次は、具体的にボラティリティを算出していきます。
ボラティリティの算出方法
ボラティリティは株価リターンの計算をして算出できます。
また、統計学的には「ボラティリティ」=「標準偏差」=「σ」と表現できます。
※ ちなみに標準偏差を2乗すると、分散になります
これではよくわからないと思いますので、例で見ていきます。
まずは、簡単な身長の例でσを算出してみましょう。
このような身長のA〜Eさんがいた場合、ボラティリティは下記のようになります。
一般式は難しそうですが、実際には以外と簡単ですよね。
次に、株価リターンの標準偏差を算出していきましょう。
架空の企業Aの株価を使用して算出していきます。
このような企業Aの株価のボラティリティは以下のように算出できます。
仮に分布形状が正規分布だとすると、各σの確率は以下のようになります。
- 平均±1σ:約68%(正確には68.27%)
- 平均±2σ:約95%(正確には95.45%)
つまり、企業Aの場合でいうと、
- 68%の確率で株価は、平均(1,092)± 1σ(± 181.6)= 910.5 ~ 1,273.7 円
- 95%の確率で株価は、平均(1,092)± 2σ(± 181.6)= 728.8 ~ 1,455.3 円
となります。
仮にボラティリティがもっと高く、σ=400とすると、企業Aは、68%の確率で 692 ~ 1,492 円 となりますので、
この様にボラティリティが高くなると、ハイリスク・ハイリターンになります。
リスク=ボラティリティを低減させる分散投資
リスク=変動率ということが何を意味するかというと、短期的にも大きな収益や損失をする可能性がある、ということを示しています。
これでは、長期投資での資産形成を安心して行うことができません。
したがって、ボラティリティを低減させるための方法が必要になります。
代表的な方法のひとつが分散投資です。
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分散投資でリスクを減らす
この投資リスクは投資をすれば常にあるものになりますが、分散投資によって、リスクを大きく減少させることが可能です。
ここで1つのケースを考えてみます。
「円高に強い銘柄 X」と「円高に弱い銘柄 Y」と「円高にも円安にも反応しない銘柄 Z」に組み合わせて投資したら、どうなるでしょうか?
- 円高の時は「銘柄X:上昇」「銘柄Y:下落」「銘柄Z:変化なし」 → 円高のリスクが減少
- 円安の時は「銘柄X:下落」「銘柄Y:上昇」「銘柄Z:変化なし」 → 円安のリスクが減少
上記の様に、銘柄を組み合わせて投資することで為替リスクを減少させることが出来ます。
これは、あるイベント時(この場合は、為替の変動時)に株価の動きが逆の銘柄を選択して投資したため、為替リスクを減少できているのです。
つまり、適切な数種類の銘柄に分散投資を行ったことで、リスクを低減できるのです。
実際の投資に応用する場合、この例の様に単純ではありませんが、
安全資産(国債)や多数の銘柄を組み合わせて投資することで、リスクを低減させることができます。
ですが、実際に東京証券取引所に上場している4,000社の中から、適切な銘柄を探して投資するのは個人にはハードルが高いです。
そんな中でも最近は個人でも分散投資可能な方法がいくつかありますので、よろしければこちらもご覧ください。
まとめ
今回は『リスク』に関してでしたがいかがだったでしょうか?
上述の様に、リスク=ボラティリティなので、ボラティリティを算出することで自身の取っているリスクを把握することが可能です。
証券口座を開設すれば、株価データもダウンロードできることも多いので、
エクセルを用いればサクッと個別銘柄のボラティリティを算出することができます。
自分がどれだけのリスクをとっているかを確認し、リスクヘッジをしていきましょう。
ですが、分散投資は銘柄選択等もあり個人には非常に難しいです。
リスクを減少させることが投資にとって最も重要なことです!
したがって、プロであるウェルスナビなどのロボアドバイザーに任せたり、IPO投資に力をいれたりすることで、資産を増やしていくというのが良いと思います。