株価チャートとは?
株価チャートとは株式市場の日々の価格変動をグラフにして可視化したものです。
株式市場に参加する全ての投資家の動きの結果が株価なので、株価チャートには全ての投資家の投資判断の結果が記されているとも言えます。
もし投資家全体の傾向やどの銘柄に人気があるかが分かれば、自身の投資判断にも活かすことができますよね。
これがテクニカル分析(チャート分析)による株式投資です。
つまり、株価チャートを観察することで『市場トレンドや株式の売買タイミングが見えて』上手に投資が出来るということです。
この株価チャートには『ローソク足』『移動平均線』『出来高』『ストキャスティクス』など様々な要素があるので、まだ初心者として投資を始めたばかりの時は、どの指標を見るべきか迷うと思います。
今回はチャートの基本である『ローソク足』と、管理人が非常に大事だと考えている『移動平均線』について解説していこうと思います。
ローソク足とは?
株価チャートを見るとこんな感じのローソクのような見た目の棒グラフが連なっているかと思います。
これが『ローソク足』と呼ばれるもので、株価チャートを見る上で基本となるグラフです。
実は、このローソク足だけで1日の株価の変動など様々な情報がわかるようになっています。
ローソク足の見方
ローソク足には5つの情報があります。
- 始値:株価
- 終値:株価
- 高値:1日のうちで一番高い株価
- 安値:1日のうちで一番安い株価
- 株化変化:株価が上昇したか下降したかを表す
まずは、ローソク足の色についてです。
ローソク足には赤ローソクと青ローソクがありますが、色で株価の変化を示していて
- 赤 = 前日よりも株価が上昇したことを示す
- 青 = 前日よりも株化が下落したことを示す
となっています。
また、高値と安値はグラフの上限、下限で表現されます。
赤ローソクの場合は『始値=グラフ上部』『終値=グラフ下部』で、青ローソクの場合はその逆です。
ローソク足から出ている線(ヒゲと呼ばれています)も大事で、上側のヒゲが高値、下側のヒゲが安値を示しています。
整理して図示するとこんな感じになります。
単純なグラフですが、大量の情報が詰まっていますし、チャートはローソク足で作られているので、まずはローソク足を見慣れるようになるのがオススメです。
移動平均線とは?
移動平均線は過去の株価の平均値を示したもので、例えば5日間移動平均線ならば過去5日間の平均株価を示したものになります。
移動平均線を見ることで銘柄が上昇傾向なのか下降傾向なのかを判断することができます。
短期の移動平均線(5日間移動平均など)は短期のトレンド、長期の移動平均線は長期トレンドを示します。
例えば、このグラフは3日移動平均線で、短期的には緩やかに下降トレンドであることがわかります。
移動平均線の使い方
移動平均線は一定期間のトレンドを見るのに適していますが、期間の取り方によっては適切にトレンド変化を観察できません。
例えば、数日前に大きな価格変動があった場合、短期の移動平均線はすぐさま反応するのに対し、
長期の移動平均線には大きな変化が表れないです。
したがって、複数の期間(短期や中期、長期)の移動平均線を組み合わせて見ることで、適切にトレンドを観察し、株式売買のタイミングを判断していくことになります。
移動平均線の弱点
ここまで紹介した移動平均線は、実は『単純移動平均線』と呼ばれるものです。
一定期間の株価を「単純に」平均して計算しているだけなので「単純」とついているのですが、
この単純移動平均線は、移動平均線指標の中では弱い指標になります。
理由としては、直近の株価も過去の株価も平等に扱われていると言えるからです。
(株価には連続性があるので、現在の株価は過去の株価より重要な情報のはずですが単純移動平均では平等に扱われてしまう、ということです)
この単純移動平均の弱点を補うために、現在情報をより重視して計算する手法が『加重平均移動線』や『指数平滑移動平均線』です。
現在の情報を重視している分、単純移動平均線よりもトレンドの変化に敏感に反応するので、
移動平均線で使うなら『加重移動平均』もしくは『指数平滑移動平均』の方が良いと思います。
ボリンジャーバンドって?
ボリンジャーバンドは移動平均線の上下にあるグラフのことで、移動平均線から標準偏差で + 3σ 〜 − 3σ の変動を加えたグラフです。
少し統計学的な話になりますが、± 2σ での変動の確立が95%なので、
逆に言えば、± 2σ を超えた価格変動が起きているときは大きな投資チャンスということになります。
ボリンジャーバンドについては、こちらで詳しく紹介していますので、良ければ見てみてください。
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その他のテクニカル指標:スローストキャスティクス
これは管理人がよく使っている指標で、株の買われすぎ売られすぎを判断する指標になります。
- 買われすぎている = 過熱している = 株価が割高な可能性
- 売られすぎている = 人気がない = 株価が割安な可能性
と言えるので、個人的には非常にわかりやすく使いやすい指標だと思っています!
詳しくはこちらをどうぞ。
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株価チャート分析をするときに注意すべきこと
ここまでテクニカル分析の紹介をしてきましたが、もちろんテクニカル分析も万能な訳ではありません。
日経平均株価でのテクニカル分析
日経平均株価は日本を代表する225企業の銘柄の株価を指数化したものなので、
日経平均の推移を見れば日本市場のトレンドをざっくり見ることができます。
ですが、テクニカル分析をする際に日経平均株価を見るのはオススメできません。
理由は、特定銘柄の日経平均株価への寄与度が非常に高いからです。
例えば、ユニクロで有名なファーストリテイリングは日経平均株価への寄与度が非常に大きいので、
ファーストリテイリングの株価が大きく変動すると、他企業の株価がそれほど大きな変動をしなくても、日経平均株価が大きく変動することになります。
日経平均とは 日経平均株価とは、上場企業の中でも特にの主要な銘柄である225個の平均の株価を表すような指標です。 日本経済全体の調子を表すような指標の一つで、景気が良いと日経平均株価が上がり、景気が悪いと日経平均株価は下がります。 […]
したがって、日経平均株価でテクニカル分析をする際は
- 寄与度の大きい銘柄も同時に見るようにする
- TOPIXでも同時に分析する
というような対策をして、分析結果の確からしさを確認した方が良いかもしれません。
企業の真の力を分析できるわけではない
テクニカル分析は、投資家に形成された株価を分析してトレンドを読む分析です。
したがって、投資家が混乱状態にあるとき、分析は意味を成しません。
つまり、バブルや暴落で市場が混乱状態にある時、テクニカル分析をしてもあまり意味がありません。
なぜならば、バブル時や相場暴落の間は、投資家が正しい判断が出来ておらず、企業の真の力から大きく乖離した株価が形成されることが多いからです。
例えば、リーマンショック時のゴールドマン・サックスの株価は大暴落しましたが、
実際にはゴールドマン・サックスは稼ぐ力を失っておらず、株価は非常に割安な状態でした。
この時に投資をしたのが世界一有名な投資家であるウォーレン・バフェットです。
企業分析によりゴールドマン・サックスの力が衰えていないと判断したバフェットは、大暴落の中で投資判断を行います。
結果的にバフェットはこの投資で凄まじいリターンを得ることになりますが、このような投資判断はテクニカル分析では不可能です。
このエピソードの詳細はこちらの本にも載っています。
このような相場の混乱期や論理的に考えて根拠のない株価になっている時に役立つのが『ファンダメンタル分析』です。
ファンダメンタル部分(財務諸表やビジネスモデル、市場環境など)を分析することで、企業に真に稼ぐ力があるかを判断する手法です。
ファンダメンタル分析に関して、詳しくはこちらをどうぞ。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はテクニカル分析の入門とも言える『ローソク足』と『移動平均線』に関して紹介してみました。
テクニカル分析はチャートから市場を読み解く手法で、ファンダメンタル分析よりも手軽に行えるので
取り組みやすく、コスパが良いと思います。
チャートの見方やテクニカル分析の本は結構たくさんあるので、どれか一冊読んでみるのが良いかと思います。
管理人が読みやすかったテクニカル分析の本はこちらです。
初心者向けにやさしく書かれているので、読みやすく定着しやすいかと思います。
一方で、市場の混乱期などを含め、テクニカル分析で全てが補えるわけではありませんので、
ファンダメンタル分析・テクニカル分析の両方を駆使して、市場に参加するのが良いかと思います。
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ファンダメンタル分析、テクニカル分析を駆使して投資を行い、資産形成をしていきましょう。