株主優待が貰えるタイミングとその前後の値動き

株主優待が貰える条件

株主優待が貰える条件は以下の2つです

・最低◯株 という条件を満たしている
・権利確定日 に株主として登録されている

ここで重要なのが、株を保有していることではなく、株主として登録されていることです。
なので極論を言えば権利確定日の時点で株は保有していなくとも株主帳簿に登録されていればよいのです。

株は購入してから株主として登録されるまで、数日営業日かかります。
例えば、6/28(金)時点で株主として登録されるためには、3営業日前の6/25(火)までに買う必要があります。
(*営業日のルールは丁度最近変わり、2019年7月16日(火)から権利確定日の2営業日前となっています。)



ー具体的な流れー

マクドナルドの例 (権利確定日6月末日)
1 :6/25  までに購入
2 :6/25  取引終了の時点で保有(権利付き最終日)
3 :6/26  以降に売却(権利落ち日)
4 :6/28  権利確定日 株主として登録されている
5 :9月下旬 優待が届く

これを見るとわかると思いますが、株主優待の権利確定日の前後では明らかに価値が大きくことなります。

権利確定日前は優待分だけ価値が高く、過ぎたら価値が低くなるため、権利確定日前後では下落が起きると予想できます。

では実際にどの程度下落しているのか、優待の価値だけ下がっているのか否か?を検証してみたいと思います。

優待前後の値動き<マクドナルドの場合>

<貰える優待の価値換算>
*マクドナルドは中間配当はないため、6月は優待のみ
優待内容:マクドナルドで使える食事券×6枚(年2回)
実質価値           3000円(6枚)
推定優待利回り       0.6%(/半年)

これに対して権利落ち最終日の終わり値と権利落ち最終日の価格を見てみます。
予想としては3000円くらい低下しそうに思います。

ー結果ー

権利付き最終日 4800円 終値
権利落ち日   4805円    始値

あれ?むしろ始値は終値より上がってますね。
つまり、権利付き最終日に終値で買った人がもし権利落ち日の朝に売っていれば、
それだけで優待3000円分+価格差500円儲かっていました。

しかし昨日は株主優待付きで48万で買えたのに、
なぜ翌日に優待すらついていないのに48万よりも高い価格で買う人がいるのでしょうか?

一見非合理的にも見えますが、
「権利付き最終日に高い値で売っていた人が買い戻した」
という可能性があります。

権利付き最終日と権利落ち日の値動きは次のようになっていました。

つまり市場には昨日の段階で4860円で売っていた人がいます
仮にその人がこの初値で買い戻していたとすると
売買価格差 5500円 – 優待ロス 3000円 = 利益 2500円
と利益が出る取引にはなっていますね。

しかし高値と安値には、価値の差が顕著に出ています。

高値同士で比べると

権利落ち日は-25円、安値同士でみると-35円となっているため、
100株あたりにすると2500円~3500円と
大体株主優待と同じくらい差が出ていますね

つまり、全体的には株主優待と同じくらい価格が下がっていたと言えます。



優待前後の値動き<松屋フーズの場合>

100株あたりに貰える優待と配当の価値換算
*松屋フーズは配当も同じタイミングであるので同様に試算します

配当金          2400円
優待の換金価値      4700円
実質価値           7100円
推定利回り                1.9%(/年)

これに対して権利落ち最終日の終わり値と権利落ち最終日の価格を見てみます。
マクドナルドと同様であれば下がらないのですが、、

ー結果ー

権利付き最終日 3830円 終値
権利落ち日   3785円 始値

こちらの場合はガッツリ下がりました。

しかし、権利付き最終日に終値で買った人がもし権利落ち日の朝に売っていれば、
それだけで優待7100円分 – 価格差4500円 = 利益3600円
とそれ程落ち切っていはいない様に見えます。
やはりこれも高値売り勢の買い戻し影響かもしれません。

権利付き最終日と権利落ち日の値動きは次のようになっていました。

こちらもやはり高値と安値には、価値の差が顕著に出ていました

高値同士で比べると、権利落ち日は-90円、安値同士でみると-70円となっているため、
100株あたりにすると7000円~9000円と
大体株主優待と同じくらいか、それより少し大きい位の差が出ています

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つまり1日単位でみればやはり優待(配当)の前後ではその価値と同じくらい株価は下落してるですね

終値と初値の関係は若干気になりますが、実際に権利付き最終日に狙って終値よりも高く売る、という様に意図的に利用するのは現実的には難しいでしょう。

なので配当のタイミングだけ買って直ぐに売る、もしくは逆に配当のタイミングだけ売って直ぐに買い戻す
という様な方法で、期待値的にプラスを出すことはやはり難しそうですね。

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