R3年受験用メモ
中小企業白書
業界構造・トレンド
中小企業の業況(30-1,30-2,30-3,29-1,29-3,29-6,1-2,1-1,1-3)
*各指標のトレンド
<売上高>
中小企業の売上高はリーマンショック以降はやや回復するも東京大震災以降、2013年まで減少傾向、2013年~2015年は横ばい、2016年~2018年は増加傾向、2019年~は減少傾向となる★トレンド変化
大企業の売上高は2009年以降は、ゆるやかな増加増加傾向。
<経常利益>
中小企業は2009年以降増加傾向にあるが、2016年~2018年は横ばい。2019年は引き続き横ばい
大企業の経常利益は2009年以降は、ゆるやかな増加増加傾向。2019年は後半に減少に転じている
★大企業・中小での微妙な違い有
<設備投資>
中小企業は、2009年以降、2016年まではやや増加傾向、2016年~2018年は横ばい。それでもリーマンショック前の2007年の水準を下回っている。大企業は、2009年以降はゆるやかな増加増加傾向。2019年からは横ばい(やや減)
投資の目的としては、「既存建物・設備機器などの維持・補修・更新」が最も多い。
割合でみると維持更新のみ増加、生産能力の拡大とする割合などは減少している。
設備年齢は、大企業・中小企業共に上昇傾向にある
<企業数>
企業数のトレンドとしては2009年以降、小規模企業が減少、中規模企業が減少(ほぼ横ばい)、大企業はほぼ横ばい(やや減少)
2012年~2014年にかけては中小企業の減少のペースは緩やかに、中規模企業数のみで見ると増加していた。
しかし2014~2016年の減少のペースは拡大、中規模企業数も減少に転じていた。
*R3年は2016年まででOK
<労働生産性(1人当たり付加価値額)>
大企業はリ―マンショック以降で落ち込んだ後、ゆるやかな上昇傾向
中小企業は大きな落ち込みはないが、横ばいが続き、2008年から2018年にかけて大企業と差は拡大している。
製造業/非製造業では動きに大きな違いはなく、大企業と比較すると2018年の水準では約4割。
<企業規模別倒産件数>
2018年~2019年にかけて
大企業 :増加
中規模企業:増加
小規模企業:増加
2009年以来10年連続で減少していたが2019年に11年ぶりに増加した。★
休廃業・解散企業数は、2016年から2019年にかけて約4万件で推移している。
また2018年から2019年にかけてはやや減少している。
業界構造
<企業数・構成比>
企業数のうち中小企業の割合がおよそ99.7%、小規模企業が84.9%(2016年)
中小企業全体のうち、個人事業者の割合は55.1%。資本金5000万円以下の中小企業と合わせていずれの業種においても全体の9割以上を占める。業種別では小売業が70.4%と最も多く、次いでサービス業(全体)が68.6%、製造業は平均より低く34.7%、卸売業が19.4%と最も低い。
常時雇用者数は50人以下の企業が97.4%を占める。
(相対的には製造業が最も少なく93.7%、小売業が最も多く98.6%)
個人事業者の占める割合を規模別でみると、中規模企業の約2割、小規模企業の約6割である
*2020年の中小企業白書では本文に記載は無いが統計資料から試算可能
<労働生産性(1人当たり付加価値額)>
労働生産性は企業規模が大きくなるにつれて高くなるが、
①小規模企業の上位10%の水準(646万)>大企業の中央値(585万)
②大企業の下位10%の水準(169万)<小規模企業の中央値(174万)
労働生産性は、資本装備率(一人当たり有形固定資産)×資本生産性(有形固定資産当たりの付加価値)で分解できる。製造業・非製造業で共にこの指標の大企業との格差が大きい。
(*比較的非製造業の方が格差が大きい)
<労働分配率>
2018年度において、労働分配率(人件費÷付加価値額)は小規模企業ほど多い。
(小規模企業78.5%、中規模企業76.0%、大企業51.3%)
2018年度において、付加価値額に占める営業純利益の割合は、大企業ほど多い。
(小規模企業4.6%、中規模企業11.4%、大企業32.8%)
<従業者数>
中小企業全体が68.8%、うち小規模事業者が22.3% (2016年)
<付加価値額>
全付加価値に占める中小企業の割合は53%、うち小規模企業が14%(2015年)
業種別の特徴まとめ(30-4,30-5,30-6,30-10,30-14,29-2,29-5,29-7,29-13,1-1,1-4,1-5)
トレンド:2012年~2016年のトレンド
製造業 | 建設業 | 宿泊、飲食サービス業 | 小売業 | その他特筆事項 | |
中小企業の範囲(中小企業基本法) | 資本金3億円以下or従業員数300人以下
*or条件、以下に注意 |
資本金3億円以下or従業員数300人以下 | サービス業(宿泊) 資本金5千万円以下or従業員数100人以下 飲食のみ 資本金5千万円以下or従業員数50人以下 |
資本金5千万円以下or従業員数50人以下 | 卸売業のみ 資本金1億円以下or従業員数100人以下 他 資本金3億円以下or従業員数300人以下 |
小規模企業の範囲 | 従業員数20人以下 | 従業員数20人以下 | サービス業(広義) 従業員数5人以下 |
従業員数5人以下 | 卸売業のみ 従業員数5人以下 他 従業員数20人以下 |
中小企業数 | 380K 全業種4番目★ |
430K 全業種3番目★ |
509K 全業種2番目★ |
623K 全業種最大★ |
– |
中小企業数トレンド | 減少 *2012~2014年にかけてのみ、中規模企業は減少していなかった |
減少 | 減少 | 減少 | 医療福祉、電気ガスが増加 |
小規模企業数 | 327K 4業種最少★ |
410K 全業種3番目★ |
435K 全業種2番目★ |
512K 全業種最大★ |
337K 生活関連サービス・娯楽業 –*数は中小企業数と同様 |
小規模企業数トレンド | 減少 | 減少 | 減少 | 減少 | 医療福祉、電気ガスが増加 |
中小企業の従業員数 | 6202K 全業種最大★ |
3244K 全業種4番目★ |
3603K 全業種3番目★ |
4490K 全業種2番目★ |
– |
中小企業の従業者数の割合 | 65.3% 4業種3番目 |
88.6% 4業種最大 全業種2番目★ |
73.1% 4業種2番目 |
61.6% 4業種4番目 |
88.7% 医療・福祉が全業種最大 |
中小企業の従業者数トレンド | 減少 | 減少 | 増加★ | 減少 | 医療福祉、電気ガスが増加 |
小規模企業の従業者数 | 1838K 全業種2番目★ |
2107K 全業種最大★ |
1283K 全業種4番目★ |
1339K 全業種3番目★ |
– |
小規模企業の従業者数の割合 | 19.4% 4業種では3番目 |
57.5% 全業種最大★ |
26% 4業種では2番目に多い |
18.4% 4業種最少 |
不動産業が2番目に多い – |
小規模企業の従業者数トレンド | 減少 | 減少 | 減少 | 減少 | 医療福祉、電気ガスが増加 |
中小企業の売上高 | 1494K 4業種では最大 全業種2番目★ |
754K 4業種では2番目に多い 全業種3番目★ |
164K 4業種では最少 |
704K 全業種4番目★ |
1556K 卸売業が全業種最大★ –従業員数と傾向は似ているが建設業が例外的に高い点に留意 |
中小企業の売上高の構成比 | 37.8% 4業種最少 | 69.7% 4業種では最大 | 65.3% 4業種で2番目 | 46.7% 4業種では3番目 | 86.1% 医療福祉が全業種最大 |
小規模企業の売上高 | 242K 全業種2番目★ | 360K 全業種で最大★ | 44K 4業種では最少 |
140K 全業種4番目★ |
卸類業が全業種3番目 –従業員数と傾向は同じ |
小規模企業の売上高の構成比 | 6.1% 4業種で最少 | 33.3% 4業種では最大 | 17.6% 4業種では2番目 | 9.3% 4業種では3番目 | –48.2% 鉱業が全業種最大 -4業種の並びは中小全体と同じ |
中小企業の付加価値額 | 325K 全業種最大★ *日本のGDPの2割★ |
155K 4業種では2番目 全業種で3番目★ |
66K 4業種最少 |
144K 全業種で4番目★ |
157K 卸売業が全業種2番目 –売上高と傾向は同じ |
中小企業の付加価値額の構成比 | 47.5% 4業種最少 | 74.8% 4業種では最大 | 69.5% 4業種では2番目 | 54.1% 4業種では3番目 | 90.5% 医療福祉が全業種最大 -売上高構成比と傾向は同じ |
小規模企業の付加価値額 | 71K 全業種で2番目★ |
85K 全業種で最大★ |
18K 4業種最少 |
33K 4業種で3番目 全業種4番目★ |
33K 不動産が全業種3番目 –従業員数と傾向は同じ -4業種の並びは売上と同じ |
小規模企業の付加価値額の構成比 | 10.4% 4業種で最少 | 41.2% 4業種では最大 | 18.9% 4業種では2番目 | 12.6% 4業種では3番目 | –54.5% 鉱業が全業種最大 –売上高構成比と傾向は同じ |
売上高経常利益率 | 4.33% 4業種で2番目に高い |
4.88% 4業種では最大 |
2.61% 4業種で3番目 |
1.2% 4業種最少 全業種で最少★ |
8.99% 不動産業が全業種最大 – |
売上高総利益率 | 21.87% 4業種で3番目 |
21.15% 4業種では最小 |
61.97% 全業種最大★ |
30.51% 4業種で2番目 |
14.86% 卸売業が最小 –平均25.05% |
自己資本比率 | 44.65% 4業種では最大 |
43.23% 4業種で2番目に高い |
15.21% 全業種最少★ |
30.99% 4業種で3番目 |
54.25% 情報通信業が最大 – |
ROE 自己資本当期純利益率 *年によって変化しやすい。2018年 |
9.33% | 13.38% 4業種では最大 | 12.97% 4業種では2番目 | 6.82% 4業種最少 |
15.01% 不動産業が全業種最大 – |
売上高に対する付加価値比率 | 30.17% 4業種で2番目に高い |
26.17% 4業種で3番目 |
47.34% 4業種では最大 |
20.04% 4業種最少 |
52.98%サービス業(その他)最大 11.97% 卸売業が全業種最少 |
中小企業の 労働生産性 ★業種区分は若干異なる |
3.7M 4業種2番目 |
4.0M 4業種最大 |
1.5M 全業種最少 |
2.5M 4業種3番目 |
5.4M 卸売業最大 5.2M 情報通信が全業種2番 |
大企業と中小企業の 労働生産性の格差 ★業種区分は若干異なる |
5.8M 4業種で2番目 全業種3番目 |
6.5M 全業種最大 |
1.2M 全業種最少 |
2.6M 4業種3番目 |
6,1M 情報通信が全業種2番目 5,4M 卸売業3番目 |
<製造業/非製造業の観点>
小規模企業/中規模企業、製造業/非製造業でみると
企業数が最も多いのは小規模企業/非製造業(76%)
従業員数が最も多いのは中規模企業/非製造業(約5割)cf;中規模企業/製造業は(約2割)
付加価値額が最も多いのは中規模企業/非製造業(約5割)cf;中規模企業/製造業は(約2割)
開業率と廃業率(30-6)
被一次産業全体では開業率5%、廃業率7.6%で廃業率が上回っている。1990年頃を境に開業率と廃業率の関係は逆転して以降つづいている。
開業率は2000年代を通じてゆるやかな上昇傾向が続いていたが、2017年から2018年にかけて低下。
廃業率は1996年以降増加傾向であったが、2010年度に減少傾向に転じ、2017年から2018年にかけては横ばい。
開業数の変化(2017→2018)
運輸業・情報通信業・サービス業を除き、すべての業種で2017年度より減少。特に、建設業は顕著に減少している。(建設業は全業種に占めるウェイトも大きい)
開業率・廃業率は以下の4業種が出題される。
製造業 | サービス業(他に分類されない) | 卸売業 | 小売業 | ||
開業率 | 2.4% この4業種では最小★ |
4.5% この4業種では2番目 | 4.4% この4業種では3番目 | 5.5% この4業種では最大★ | – |
廃業率 | 6.2% この4業種では最小★ | 6.8% この4業種では3番目 | 7.1% この4業種では2番目 | 8.3% この4業種では最大★ | – |
開業率と廃業率の差 | 3.8% この4業種では最大★ | 2.3% | 2.7% | 2.8% | – |
小売業は、歴史的には最も早く廃業率が開業率を上回った業種
主要四業種の中でも最も企業数の減少幅が大きく、1999年と比較して2014年には六割程度になっていた。
建設業は開業率が平均より高い。
その他トレンド
海外進出のトレンド
1997年~2017年
直接輸出企業割合
大企業 :減少(2000年頃に減少して以来横ばい)
中小企業:増加
海外子会社を保有する企業割合
大企業 :増加
中小企業:増加
*リマ―ンショック時を除いて基本的に増加
海外子会社の地域別構成比(2000~2017)
中国:減少
韓国:減少
ASEAN:増加(全体の1/3を占める)★
北米:減少
外国人労働者数・雇用事業者数は、ともに増加している。(30-12)
海外市場へ販売している企業が重要と考えるポイントは
「現地でのビジネスパートナーの確保」が6割と最も回答が多い
「海外ビジネスを担う人材の確保・育成」は5割弱、「現地市場・精度・商慣習の調査」の回答割合が3割とこれらも比較的多い。
労働生産性区分別企業数の構成比
2012年から2016年にかけて労働生産性の変化
労働生産性の高い企業の構成比は増加傾向にある
労働生産性の低い企業の構成比はわずかに減少傾向にある。
(2012年の上位30%、下位30%の基準値を上回るor下回る企業数の変化)
雇用動向調査(2011~2017)
転職者数
・大企業→大企業 :増加 *かなり増えている
・大企業→中小企業 :増加
・中小企業→大企業 :増加
・中小企業→中小企業:減少
人手不足
2065年には8808万人になると推測されている
就業者数と就業率は2013年以降増加の傾向にある。
雇用状況については規模が小さいほど減少傾向にあるが、規模が大きい企業ほど増加傾向にある
規模の大きい企業ほど人手が不足している割合が高く、製造業より非製造業が不足している傾向にある。
貸付の推移(29-11,1-11)
民間金融機関の貸出残高は増加傾向、政府系金融機関の貸出残高は減少傾向である
国内銀行から法人向け貸出のうち、中小企業への割合の推移を見ると、1990年代半ばには中小企業向け貸出の比率は上昇していたが、90年代末の金融システム不安の前後に下落。その後再び2000年代半ばにかけて上昇したが、2007年をピークに低下傾向にあり、足下2013年頃より横ばいがつづく。
企業規模別では、リーマン・ショック時に急激な増減を経ているが2011年から2015年にかけて大企業向けはおおむね増加基調で推移している。
中小企業に関しては、リーマン・ショック後にも減少傾向にあり、2013年頃より回復傾向にあるものの、2000年代前半までの水準には及ばない。
公的信用保証制度(30-12)
全国の保証協会の保証債務残高は近年は減少傾向にある(*2020年5月確認)
保証金額別では、3000万円以下が約6割、用途の約9割が運転資金である。(H30年*数年前と変わらず)
起業家の属性別の傾向(30-7)
2007年-2012年-2017年の間において
起業希望者は減少、起業家は減少している。
総合企業活動指数(起業活動者が成人人口に占める割合)の国際比較
→日本は低いが独伊はさらに低い。
アメリカ(15.6%)中国(10.4%)英国(8.2%)フランス(6.1%)日本(5.3%)ドイツ(5.0%)イタリア(4.2%)
起業希望者に占める女性の割合は増加傾向、起業家に占める女性の割合は減少傾向にある。
60歳以上の起業家の割合は、全体として増加傾向にあり、女性に比べ男性の方が多い。
調査結果
中小企業・小規模事業者に期待される役割・機能
中小企業・小規模事業者の4つの類型:各企業の目座す姿(中小企業全体)/(小規模企業)
①グローバル型(グローバル展開する企業):約1割/1割未満
②サプライチェーン型(サプライチェーンでの中核ポジションを確保する企業):約3割/1割未満
③地域資源型(地域資源の活用などにより立地地域外でも活動する企業):約1割/約2割
➃生活インフラ関連型(地域の生活・コミュニティを下支えする企業):約4割/約6割
*小規模事業者程、地域や住民生活との密接性を重視する企業の割合がおおい
競争戦略の4類型
中小企業全体に置いて企業が取る戦略は、
業界全体を対象として、低価格で優位性を構築する戦略(コストリーダーシップ):1割未満
業界全体を対象とし、製品やサービスの差別化で優位性を構築する戦略(差別化戦略):約3割
特定の狭い市場を対象とし、低価格で優位性を構築する戦略(コスト集中戦略):約1割
特定の狭い市場を対象とし、製品やサービスの差別化で優位性を構築する戦略(差別化集中戦略):最も多い(約6割)
主たる事業域別、企業の割合
バリューチェーン上の主たる事業領域を1つの特定した際の企業数の割合
①企画:1割未満
②開発・設計:1割未満
③組立・製造:最も多い 約2割
➃卸売:約1割
⑤販売(対消費者):約1割
産業財産権の出願件数に占める中小企業の割合(2018年)
特許権:14.9% 最も少ない
実用新案権:55.8% 2番目に多い
意匠権:37.3%
商標権:61.4% 最も多い
オープンイノベーション(外部の技術やノウハウを活用して実現するイノベーション)の実施状況
アウトサイドイン型:外部技術を自社に取り込み連携をする(取組割合は製造業19%/非製造業16% 最も多い)
インサイドアウト型:自社の技術・知識を社外に発信する事で連携を促す(製造業12/非製造業8% 2番目に多い)
多対多の連携型:広く連携先を募り共同開発をしていく(製造業4.5%/非製造業4.2% 最も少ない)
価格設定に当たり最も重視する視点
「優位性のある企業」において最も重視すると回答した割合
①コスト起点型:コストを回収し、一定の利益を確保できるかに設定する :約6割
②競合起点型:業界平均や競合他社の価格を参考に設定する :約2割弱
③顧客起点型:顧客に受け入れられる価格に設定する :約2割強(BtoCの方がより顧客起点が多い傾向に)
業種別の受託事業者の割合
受託事業者≒広義の下請事業者。
情報通信業 :36%で最も多い
製造業 :17.4%
運輸業・郵便業 :15.2%
サービス業 : 12.5%
学術・専門・技術サービス業 :7.4%
地域で価値を生み出す小規模事業者
小規模事業者の事業にとって最も大きい地域課題
小規模事業者にとって最も大きい地域課題は「商店街や中心市街地の衰退(約3割)」が最も多い。
次いで「働き手の不足(2割強)」、「地場産業の衰退・不在(2割弱)」
住民にとって最も問題だと感じている地域課題
住民にとって最も大きい地域課題は「商店街や中心市街地の衰退(約2強)」が最も多い。
次いで「働く場所の不足(1割強)」、「働き手の不足(約1割)」
空き店舗対策として行っている、行ってみたい取り組み
空き店舗対策については、「特に行っていない」が6割近くを占め、商店街として十分な対策が検討・実施されていない。
次いで「家主に対して賃貸の要請を行う」が14.1%で2番目に多い。(他の回答もほぼ同程度ではある)
空き店舗が撤去された場合の利用状況としては、空き地が4割、駐車場が4割弱、住宅が3割となる。
生活を行う上で不便を感じる事
「娯楽施設(遊技場・フィットネス等)の利用(3割強)」に不便を感じている人が最も多い。
次いで「医療・福祉施設の利用(約3割)」、「飲食店の利用(約3割)」
人口密度が低い地域ほど不便さを感じている割合が高い。
小規模事業者が従業員の労働環境の向上に向けて最も改善が必要だと考えるもの
「業務量や内容に対する適正な報酬の支払い(30.5%)」が最も多い。
次いで、「業務系ケインを通じた実践的なスキルの定着(16.5%)」「従業員の事情に応じた勤務時間・日数の柔軟な設定(15.6%)」
従業者規模別の従業員の属性比等
従業者規模が小さいほど女性割合は高い。
従業者規模が小さいほど女性の正規雇用比率が高い
従業者規模が小さいほど60歳以上の従業者割合が高い。
従業者規模が小さいほど60歳以上の正規雇用比率が高い。
小規模企業者が地域資源を活用するにあたり連携・相談を行った相手
連携・相談を行った相手として「公的支援機関(商工会・商工会議所等)」が7割と最も多い。
もっとも役に立った相手としても回答が多い。
商店街実態調査(2018年)
商店街の来訪者数減少要因:「魅力ある店舗の減少」が最も多い
*2020年中小企業白書にも記載有
中小企業・小規模企業者の支援機関
日常の相談相手に求めるもの
中小企業が日常の相談相手に求めるものとしては
経営・財務・支援策に対する知識:45.7%
自社に適した支援策の提案力:53.2% *2番目に多い
自社の経営に関する理解度:54.5% *最も多い
自社の経営課題の発見能力:35.2%
接触頻度・話のしやすさ:29.9%
中小企業支援機関の連携する機会が多い経営課題
ICT活用:18.4%
営業・販路開拓:74.4% 最も多い
財務:54.9% 2番目に多い
商品・サービスの開発・改善:54.9% 2番目に多い
人材:38.3%
事業承継
事業を承継した社長と先代経営者の関係のうち、
同族承継が約3割(年々減少傾向にある。従来一番多く、2019年の時点では僅差で一番多い。)
内部昇格が約3割(年々増加傾向にあり、2019年についに同族承継とほぼ同等になった)
消費税の転換状況に関するモニタリング調査
消費税の価格への転換状況は、事業者間取引では約9割、消費者向け取引では約8割の事業者が全て転換できていると回答している。
一方、事業者間取引では約2%、消費者向け取引では約3%の事業者が全く転換できていないと回答している。
事業継続計画(BCP)の策定状況
企業の事業活動に影響を及ぼす自然災害や事件、事故などの事態が発生しても重要な事業・業務を中断させない、もしくは中断しても可能な限り短時間で復旧させるための方針・体制・および手順などを示した行動計画。
BCPの策定状況について、「策定している(12%)・現在策定中(7%)・策定を検討している(23%)」と回答した中小企業の割合は合計で4割。cf(大企業では約6割)
「BCPを策定していない」と回答した中小企業の理由では「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が最も多い。
なお「BDPを策定している」と回答した中小企業が感じている効果としては「従業員のリスクに対する意識の向上」が最も多い。
法律・制度
重要な法律
中小企業基本法(30-14)
基本法第2条にて中小企業の範囲が定義されている。
中小企業に期待される役割(基本法第3条)
第三条 中小企業については、多様な事業の分野において特色ある事業活動を行い、多様な就業の機会を提供し、個人がその能力を発揮しつつ事業を行う機会を提供することにより我が国の経済の基盤を形成しているものであり、特に、多数の中小企業者が創意工夫を生かして経営の向上を図るための事業活動を行うことを通じて、新たな産業を創出し、就業の機会を増大させ、市場における競争を促進し、地域における経済の活性化を促進する等我が国経済の活力の維持及び強化に果たすべき重要な使命を有するものであることにかんがみ、独立した中小企業者の自主的な努力が助長されることを旨とし、その経営の革新及び創業が促進され、その経営基盤が強化され、並びに経済的社会的環境の変化への適応が円滑化されることにより、その多様で活力ある成長発展が図られなければならない。
(*後者の3つは基本方針の一部)
小規模企業の位置づけ
(基本法第3条第2項:H25年施行
小規模企業活性化法(小規模企業の事業活動の活性化のための中小企業基本法等の一部を改正する等の法律)で創設)
中小企業の多様で活力ある成長発展に当たつては、小規模企業が、地域の特色を生かした事業活動を行い、就業の機会を提供するなどして地域における経済の安定並びに地域住民の生活の向上及び交流の促進に寄与するとともに、創造的な事業活動を行い、新たな産業を創出するなどして将来における我が国の経済及び社会の発展に寄与するという重要な意義を有するものであることに鑑み、独立した小規模企業者の自主的な努力が助長されることを旨としてこれらの事業活動に資する事業環境が整備されることにより、小規模企業の活力が最大限に発揮されなければならない。
中小企業基本法の基本方針
一 中小企業者の経営の革新及び創業の促進並びに創造的な事業活動の促進を図ること。
二 中小企業の経営資源の確保の円滑化を図ること、中小企業に関する取引の適正化を図ること等により、中小企業の経営基盤の強化を図ること。
三 経済的社会的環境の変化に即応し、中小企業の経営の安定を図ること、事業の転換の円滑化を図ること等により、その変化への適応の円滑化を図ること。
四 中小企業に対する資金の供給の円滑化及び中小企業の自己資本の充実を図ること。
中小企業憲章
現行の中小企業基本法をはじめ、諸法令を整備・充実させる道筋を指し示すもの。
中小企業憲章の基本原則
1.経済活力の源泉である中小企業が、その力を存分に発揮できるように支援する
2.起業を増やす
3.創意工夫で新しい市場を切り開く中小企業の挑戦を促す
4.公正な市場環境を整える
5.セーフティネットを整備し、中小企業の安心を確保する
中小企業憲章の行動指針
1.中小企業の立場から経営支援を充実・徹底する
2.人材の育成・確保を支援する
3.起業、新事業展開のしやすい環境を整える
4.海外展開を支援する
5.公正な市場環境を整える
6.中小企業向けの金融を円滑化する
7.地域および社会に貢献できるよう体制を整備する
8.中小企業への影響を考慮し政策を総合的に進め、政策評価に中小企業の声を活かす
小規模企業振興基本法(29-14)
小規模企業振興基本法における「小企業者」・・・業種に関わらず、おおむね常時使用する従業員数が5人以下(中小企業基本法の小規模事業者と異なる)
★令和元年に改正 重要項目
4つの基本方針と12の重点施策がある。(2020年6月時点)
基本方針は、内閣府が定める。
①需要を見据えた経営の促進(国内外の多様な需要に応じた商品の販売・役務の提供の促進および新たな事業の展開の促進)
(1)ビジネスプランに基づく経営の促進
(2)需要開拓に向けた支援
(3)新事業展開や高付加価値化の支援
②新陳代謝の促進(小規模企業の経営資源の有効な活用ならびに小規模企業に必要な人材の育成・確保)
(4)多様な小規模事業者(フリーランスなど)の支援【新規項目】★
(5)起業・創業支援【重点項目】★
(6)事業承継・円滑な廃業【重点項目】(*事業廃止の円滑化も含む)★
(7)人材の確保・育成
③地域経済の活性化に資する事業活動の推進(地域経済の活性化ならびに地域住民の生活の向上および交流の促進に資する小規模企業の事業活動の推進)
(8)地域経済に波及効果のある事業の推進
(9)地域のコミュニティを支える事業の推進
④地域ぐるみで総力を挙げた支援体制の整備(小規模企業への適切な支援を実施するための支援体制の整備等)
(10)地方公共団体と支援機関の連携強化とエコシステムの構築【重点項目】
(11)手続きの簡素化・施策情報の提供
(12)事業継続リスクへの対応能力の強化【新規項目】★
改正に際しては副業の進展や多様な事業者の出現、事業承継の本格化、人口の急激な現象、大規模災害の頻発等が関わる。情勢の変化を踏まえ、おおむね5年ごとに変更。
中小企業等経営強化法(30-16,29-15,29-20)
H28年に施行。
従来の中小企業新事業活動促進法で対象となっていた「新たな事業活動」に加えて、これまで支援対象となっていなかった「本業の成長」を支援し、中小企業の生産性向上を図るために、様々な支援を規定している。
<創業支援>
創業支援の対象となるのはこれから事業を開始しようとする個人と、創業から5年未満の事業者。
創業支援の内容としては
・中小企業信用保険法の特例(信用保証の枠の拡大)
・中小企業投資育成株式会社法の特例(資本金が3億円以上でも初回投資可能)
<経営力向上の支援>*「中小企業等経営強化法」試行に伴い創設
〇対象条件
資本金10億円以下または従業員数2000人以下
〇スキーム
国(経済産業大臣)が基本方針を定める。★Unique
国(主務大臣)が事業分野ごとに生産性向上の方法などを示した事業分野別指針を作成。★Unique
中小企業・小規模事業者等が、上記に基づいて(なければ基本方針に基づいて)「経営力向上計画」を策定して申請し、
国(主務大臣)に認定されることによって支援措置が受けられる。
(*特徴:3つの中で唯一、都道府県が絡まないが、経済産業大臣が絡む。)
〇評価指標
指標は原則として労働生産性(付加価値÷労働投入量*)を用い、3年の場合は1%以上、4年の場合は1.5%以上、5年の場合は2%以上の伸び率が必要。(*業種によっては労働生産性以外の指標も使用)
*労働投入量≒労働者数or就業時間Total
*付加価値 =営業利益+人件費+減価償却費
(経営力向上計画の指標はx年の場合x×0.5%-0.5%)
〇支援措置
低利融資、中小企業信用保険の特例(信用保証の枠の拡大)、中小企業経営強化税制(設備の即時償却or取得税の税額控除)★が受けられる。
その他にも中小企業投資育成株式会社法の特例、日本政策金融公庫のスタンドバイクレジット、中小企業基盤整備機構・食品流通構造改善機構による債務保証、等を受けることも出来る。
<経営革新の支援>
〇スキーム
国(主務大臣)が基本方針を定める。
中小企業等(中小企業者、組合、任意グループ、個人事業者)等が経営革新計画を作成して申請し
都道府県知事等(全国団体等による広域の案件の場合は国(主務大臣)単一の場合は都道府県知事)から経営革新の承認を受けると利用できる。★Unique
承認企業に対しては、都道府県等が進捗の調査を行う。
〇評価指標
経営革新・・・事業者が新事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ること
*新事業活動とは以下のいずれかにあたること
・新商品の開発または生産、商品の新たな生産または販売方式の導入
・新役務の開発または提供、役務の新たな提供方式の導入
・技術に関する研究開発およびその成果の利用
*経営の相当程度の向上
「付加価値額」or「一人当たりの付加価値額」の伸び率、
「給与支給総額」の伸び率の二つの指標が3~5年で相当程度向上する事(前者は年率3%以上、後者は年率1.5%以上)
★令和2年中小企業成長促進法により中小企業等経営強化法が改正された項目
経営革新計画には、上記の具体的な目標値が必要
付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費
〇支援措置
低利融資、中小企業信用保険の特例、中小企業投資育成株式会社法の特例(資本金3億円以上でも株式引受等の対象となる)、特許料の減免(最大10年間半額)★、補助金の加点、販路開拓支援などが受けられる。
<認定情報処理支援機関(スマートSMEサポーター)制度>
中小企業のIT活用を支援するITベンダー等を認定する制度。認定された機関には登録番号入りのロゴマークが提供される。
中小企業等の生産性向上、経営基盤の強化のため、H30年に中小企業等経営強化法が改正され、創立された。
中小企業強靱化法★令和元年改正法より創設
(中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律)
<事業継続力強化計画制度>
防災・減災に取り組む中小企業を支援するための制度。
〇スキーム
中小企業者が計画を作成し、経済産業大臣(国)の認定を受けると受けられる。
〇支援措置
防災・減災の取り組みに対する税制優遇・低利融資・補助金の優先採択等を受けられる。
〇評価指標等
計画には目標伸び率等は必要ないが、防災・減災の取り組み内容を盛り込むことが必要。
計画期間は3年以内。
中小企業成長促進法★令和2年改正内容
-承継円滑化による廃業リスクの回避
-規模拡大後の継続支援によるM&A円滑化を通じた事業継続支援
-海外拠点の分散化の推進
-計画制度の簡素化と電子申請の加速化
を実現し、中小企業の事業継続と雇用維持を後押し、危機収束後は、いずれの措置も、中小企業の成長を促す支援策として活用。
各種制度の位置づけを「経営力向上計画」→「経営革新計画」→「地域経済けん引事業計画」を経て中堅企業への成長を促す。
クロスボーダーローン制度★
上記の3つのいずれかの認定を受けた国内中小企業等の海外子会社が対象。
タイ、ベトナム、香港の子会社に対して海外子会社1社あたり14億4千万円(うち長期運転資金は9億6千万円)を日本公庫が貸付できる。利率は4億円を限度として特別利率。保証・担保は共に必要。
設備資金20年以内(米ドルの場合は15年以内)
運転資金7年以内
Cf:スタンドバイ・クレジット
国内親会社の依頼を受けた日本公庫が、海外金融機関等に対し信用状を発行てし、債務を保証する。為替リスクをヘッジでき、国内親会社のBSには影響はないが、海外金融機関との交渉が必要で長期の借り入れが難しい。
Cf:親子ローン
日本公庫から国内親会社が借り入れて、海外子会社に転貸する。長期借り入れが可能だがBSが肥大化し、為替リスクを親子で負う。
地域未来投資促進法による支援(1-24)
事業者が地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者に対する相当の経済的効果を及ぼす地域経済けん引事業を行う際、様々な支援措置を受けることが出来る。
〇スキーム
国(主務大臣)が基本方針を作成。
その基本方針に基づき、市町村(特別区)・都道府県が基本計画を作成して国の同意を得る。★Unique
中小企業者がその基本計画に基づき地域経済牽引事業計画を事業者が策定して申請、
都道府県知事(官民連携型の場合は国(主務大臣))が承認すると利用できる
〇支援措置★Unique
・研究開発から設備投資・販路開拓等までの一体的な支援
・先進的な事業に必要な設備投資に対する減税措置
・農地転用許可・市街化調整区域の開発許可等に係る配慮
*計画期間は5年でこの間に中小企業要件から外れても、地域経済牽引事業計画の実施期間(5年以内)は、中小企業支援を継続できる。★令和2年改正部分
・中小企業信用保険法の特例
・投資育成株式会社法の特例
・日本公庫による海外展開支援(スタンドバイ・クレジット、クロスボーダーローン)
・日本公庫による特別貸付(地域経済牽引事業関連) 等
*要件は地域によって異なるが主に付加価値の波及効果
*地域産業資源活用事業計画(地域資源活用促進法)が法改正で統合された。→
中小企業の支援組織
★令和2年中小企業成長促進法改正で業務追加が追加されている。
中小企業再生支援議会
産業競争力強化法を根拠法とする。
債務超過等の財務上の問題を抱えている事業者への相談や金融機関との調整等を実施する組織。
経営者等個人の保証債務整理支援を通じて (個人の再チャレンジ意欲増進、早期清算の決断促進といった)新陳代謝の活性化も図る。★追加部分
各都道府県に設置されており、商工会議所や都道府県等中小企業支援センターなどに窓口が設けられている。
専任の専門性のある支援業務責任者で配置されており、中小企業の再生に関する相談対応をしている。必要に応じて中小企業診断士、弁護士等の専門家等の外部の専門家に依頼して、共同で再生計画の作成支援を実施している。
事業承継・引継ぎ支援センター★令和3年4月改名
産業競争力強化法を根拠法とする。
各都道府県に設置。事業承継に関わる幅広い相談を受け付けており、中小企業等の後継者マッチング等を支援するために設立された専門機関であったが、「親族内における事業承継支援」が業務に追加され、事業承継支援のワンストップ化を図る。
相談は無料。
経営承継借換関連保証
・事業承継特別保証
信用保証の一般枠(2.8億円)の範囲内で、事業承継時に経営者保証を不要とする信用保証制度(令和2年4月より開始)
・経営承継借換関連保証★中小企業成長促進法の方改正部分
一般枠ではカバーできない融資に対して、経営者保証を不要とする信用保証の特別枠(最大2.8億円)
70歳以上の経営者の約半分が後継者未定で、後継者未定のうち、後継者がいないのが8割。残りの2割で後継者がいる場合でも、2/3が経営者保証(経営者やその家族が会社の連帯保証人となること)を理由に承継を拒否していたことが背景
下請代金支払遅延等防止法(30-18,29-16)
不公正な取引の規制と下請け事業者の利益保護を目的とした法律。
公正取引委員会および中小企業庁が下請け取引の適正化のために親事業者の義務及び禁止事項を規定している。「優先的地位」にあるか否かは、資本金の規模によって規定されている。
優先的地位にある場合:製造・修理委託の場合、資本金が1千万円超3億円以下→1千万以下への委託。もしくは3億円超→3億円以下への委託。
情報成果物・役務提供委託の場合、資本金が1千万円超5千万以下→1千万以下への委託、もしくは5千万超→5千万以下への委託
*個人への委託も含む
親事業者の義務
・注文の際には、直ちに取引条件等を書いた書面を出すこと
・取引条件等について記載した書類等を作成し、2年間保存すること
・注文品などを受け取った日から60日以内、かつ出来る限り短い期間内に代金の支払期日を定めること
・注文品などを受け取った日から60日を過ぎても代金を支払わなかった場合は、受け取った日の60日後から支払を行った日までの日数に遅延利息(年率14.6%)を加算して払う事。(了承を得ているかどうかは問われない。)
<下請中小企業振興法>
振興基準・振興事業計画制度・下請け企業振興協会などについて規定している
〇振興基準
ー下請事業者の生産性の向上、製品・情報成果物の品質・性能の改善・役務の品質の改善に関する事項
ー親事業者の発注分野の明確化、発注方法の改善に関する事項
ー下請事業者の施設・設備の導入・技術向上、事業の共同化に関する事項
ー対価の決定方法、納品の検査の方法その他取引条件の改善に関する事項
ー下請業者の連携の推進に関する事項
ー下請事業者の自主的な事業運営の推進に関する事項
ーその他下請け中小企業の進行のため必要な事項
〇下請け企業振興協会
ー下請中小企業振興のための情報収集・提供、調査・研究などをおこなっている
下請かけこみ寺
中小企業の取引に関する様々な悩みに対応するために、相談への対応や裁判外紛争解決手続(ADR)を活用した迅速な紛争解決、「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」の普及啓発を行う機関。相談は無料(弁護士への相談も無料)。全国48カ所各都道府県に設置されている(都道府県によって商工会など場所は異なる)。
支払代金の支払方法の改善
・下請け代金の支払いについて可能な限り現金で行い、少なくとも賃金に相当する金額は、全額を現金で支払うものとする。
・手形サイト(手形を振り出してから支払いまでの期間)については、120日(繊維業においては90日)を超えてはならず、将来的には60日以内となるように努める。
支援機関
日本政策金融公庫
100%政府出資で全国152カ所に設置されており、日本政策金融公庫法を根拠法とする
・直接貸付:公庫の本店・支店の窓口で融資する方法
・代理貸付:都銀、地銀、信用金庫等の窓口を代理店として融資する方法
なお、商工中金は一部政府出資
信用補完制度
信用補完制度は以下の2つで構成される。
信用保証制度:中小企業が事業資金を借り入れる際に、信用保証協会がその借入債務を保証する。債務返済できなくなった場合、信用保証協会が代位弁済を行う。
信用保険制度:保証債務の事故発生に備える制度。信用保証協会と日本政策金融公庫の間で結ばれる。代位弁済が行われた際にその額の大半を保険金として出す。その後、中小企業から回収したら公庫に返す。
セーフティネット保証
取引先企業の倒産・自然災害など(外部要因)によって経営の暗手に支障が生じている中小企業者について、信用保証協会が保証限度額の別枠化を行う制度。
前者の項目については事業所を管轄する市区町村長・特別区長が認定を行う。
保証には、普通保証・無担保保証、無担保無保証人保証の3つがある。
中小企業投資育成株式会社
中小企業投資育成株式会社法に基づいて、中小企業の自己資本の充実を促進し、その健全な成長発展を図るため、中小企業に対する投資等の事業を行うことを目的として設立された政策実施機関。東京、名古屋、大阪に設立されている。投資対象は原則として、資本金額が3億円以下の株式会社。
地方公共団体・各種金融機関・保険会社・証券業界・地元有力企業の出資等の協力によって運営されている。(政府出資ではない)
経営安定特別相談事業
中小企業の経営安定対策として実施されている相談・指導事業。
経営安定特別相談室が全国の主要商工会議所や都道府県商工会連合に設置されており、中小企業診断士等の専門家が無料で相談対応する。
中小企業基盤整備機構
中小企業大学校:運営する中小企業のための専門的研修機関
戦略的CIO育成支援事業:中小企業のIT経営に十分な知見と実績がある専門家を有料で派遣し、ITを活用した経営戦略の策定等のアドバイスを行うと共に、企業内のCIO候補者を育成する事業
*その他の重要な事業内容
ー経営力向上計画に認定された企業への債務保証
ー小規模共済制度の運営
ー経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)の運営
高度化事業:
「中小企業者が共同して経営基盤の強化を図るために組合などを設立して、工場団地・卸団地、ショッピングセンターなどを建設する事業」や「第三セクターや商工会などが地域の中小企業者を支援する事業」に対して、資金及びアドバイスの両面から中小企業基盤整備機構と都道府県が一体となって支援する制度。
高度化事業では優遇融資が受けられる。
貸付対象は、設備資金で運転資金は不可、期間は20年以内で据え置き期間が3年。貸付割合は80%以内だが貸付限度額はない。担保・保証人は必要だが低利
また 固定資産税の軽減や事業所税の非課税など、税制上の特別措置などの支援措置も受けられる
ー「中小企業者が行う事業」
集団化事業 (中小企業者が市街地に散在する工場や店舗などを集団で移転し、公害問題などのない適地に工場団地や卸団地を建設する事業)
集積区域整備事業 (商店街を街ぐるみで改造して街全体の活性化を図る)
施設集約化事業 (ショッピングセンターや共同工場へ統合して共同で入居する)
共同施設事業 (物流センターを設置する・共同で利用する施設を設置するなど)
ー「第3セクターが行う事業」
地域産業創造基盤整備事業 (起業家などを支援するインキュベーション施設などを設置し運営する)
商店街整備等支援事業 (単なる買い物の場ではなく暮らしの場になるような商業活性化施設の建設)
中小企業支援法
中小企業診断士の根拠法である。
都道府県および政令指定都市が行う中小企業支援事業の実施体制の中心として、都道府県等中小企業支援センターを指定法人としている。
cf:商工会は商工会法、商工会議所は商工会議所法を根拠法とする
組合制度
技術研究組合制度(CIP制度)
技術研究組合法に基づき、企業と企業、企業と大学などが共同で研究を進める際にできる組合制度
・法人格を有する
・株式会社・合同会社へのみ、組織変更が可能
・組合員は組合に支払う賦課金(≒出資金)を費用処理できる。
・研究開発税制の適応が受けられる。
・賦課金をもって試験研究用資産を取得・製作した場合は、1円まで圧縮記帳でき、減額した金額に相当する額を損金の額に算入できる。
中小企業組合制度
事業協同組合:中小企業者が新商品開発。生産・加工・販売等の事業を共同で行うことにより、事業者の経営革新・経営効率化等をお図るための組合。
企業組合:出資・労働・経営を一体的に行う組織。簡易な会社。
どちらもは中小企業等協同組合法を根拠法とする。
組合の設立には、4人以上の発起人が必要。
加入・脱退は自由。
議決権は1人1票であり、出資比例の議決は認められない。
株式会社への組織変更が可能。
協業組合:中小企業者がお互いの事業を統合・競合し、事業規模を適正化することにより生産性の向上を図ることを目的とする組合
中小企業団体の組織に関する法律を根拠法とする。
組合の設立には、4人以上の発起人が必要。
加入には組合の加入承諾、脱退には持分譲渡による組合の承諾が必要。★Unique
議決権は1人1票であるが、出資比例の議決権も認められる。★Unique
株式会社への組織変更が可能。
商工組合:業界全体の中小企業者を代表して、その事業の改善発達を図ることを目的とする同業者組合
中小企業団体の組織に関する法律を根拠法とする。
組合の設立には、4人以上の発起人が必要。
加入・脱退は自由。
議決権は1人1票であり、出資比例の議決は認められない。
組織変更が不可。
商店街振興組合:商店街が形成されている地域において、小売商業またはサービス業に属する事業その他の事業を営む者等のための組織であって、共同経済事業や環境整備事業を行う事を目的とする組合。
商店街振興組合法を根拠法とする。
組合の設立には、7人以上の発起人が必要。★Unique
加入・脱退は自由。
議決権は1人1票であり、出資比例の議決は認められない。
組織変更が不可。
これらの組合の組合数は
事業協同組合が28320と圧倒的に多く、次いで商店街振興組合2482>企業組合1724>商工組合1138>協業組合720となっている。
各種支援制度
生産性向上特別措置法★新
平成30年6月6日に施行された。
<先端設備等導入計画>
〇スキーム
導入促進指針を国(経済産業大臣)が定め、
それに基づいて基本計画を市区町村が定め、その基本計画を国(経済産業大臣)が同意する。
上記に基づいて先端設備導入計画を、中小企業が先端設備等導入計画を策定して申請、
新たに導入する一定の設備が所在する市区町村に認定されると支援措置が受けられる
〇支援措置等
対象設備を新規取得したときに課される固定資産税を3年間、0以上1/2以下で市区町村の定める割合に軽減することができる。
*基準年度に対して年平均3%以上の労働生産性の向上が要件(★経営革新計画の労働生産性条件に同じ)
中心市街地活性化法
中心市街地活性化法
<中心市街地活性化基本計画・認定特定民間中心市街地活性化事業計画>
〇スキーム
基本方針を国(内閣総理大臣を本部長とする中心市街地活性化本部、つまり政府)が定め、
それに基づいて基本計画を中心市街地活性化協議会(事業の実施者等で構成される組織)の意見を踏まえて市区町村が定め、その基本計画を内閣総理大臣が認定する。
★内閣総理大臣の認定が必要なモノはコレ位
認定基本計画に対して様々な支援措置が取られる。
民間事業者は中心市街地活性化協議会での議論を経て認定特定民間中心市街地活性化事業計画を作成して申請、
国(主務大臣)が認定する事で様々な支援措置を受けることが出来る。
〇支援措置
信用保険法の特例など
地域商店街活性化法
<商店街活性化支援事業計画>
〇スキーム
基本方針を国(経済産業大臣*)が定め
商店街振興組合、事業協同組合が商店街活性化事業計画を、
NPO法人、一般社団法人、一般財団法人が商店街活性化支援事業計画をそれぞれ作成し、
国(経済産業大臣*)の認定を受けると各種支援措置が講じられる。
(認定の際は都道府県および市町村の意見を聴いて(同意までは不要)認定する。)
〇支援措置
中小企業信用保険法の特例(*保証限度額が別枠で2倍に拡大)が設けられている。
農商工等連携促進法
農商工等連携事業計画・農商工等連携支援事業計画
〇スキーム
国(主務大臣)が基本方針を定める★
上記に基づいて中小企業者(商工業者)と農林漁業者が有機的に連携して、新商品・新サービスを開発を行う農商工等連携事業計画を共同で作成。
”特定非営利活動法人(=NPO法人)等(一般社団法人、一般財団法人)”が、上記の連携を支援する農商工等連携支援事業計画を作成し
国(主務大臣)の認定を受けると、各種支援措置が講じられる。
〇支援措置
補助金、低利融資・中小企業信用保険法の特例、食品流通構造改善促進機構による債務保証等。
(中小企業同士のみ、農林業者のみは認められず、大企業は商工業者の対象とはならないが含んでも良い。)
戦略的基盤技術高度化支援事業(1-21)
中小企業・小規模事業者が大学、公設試等の研究機関等と連携して行う、製品化につながる可能性の高い研究開発、試作品開発等及び販路開拓への取組を一貫して支援する事業。
補助金などの支援が得られる。
2社以上の共同体を組んだ取り組みが支援要件に含まれる。研究等実施機関・事業管理機関などが必要。
小規模事業者支援法
〇経営発達支援計画
商工会・商工会議所が小規模事業者を支援する計画として経営発達支援計画を策定し、
国(経済産業大臣)へ申請し、認可する仕組み。
〇経営改善普及事業
中小企業(特に小規模事業者)の経営や技術の改善発達を図るために国が行う事業
経済産業大臣の定める資格を持つ経営指導員が、金融・税務・労務など経営全般に関する問題について、相談に応じる。
中小小売商業振興法
商店街の整備、店舗の集団化、共同店舗等の事業を推進し、中小企業者の経営の近代化を促進する事を目的としたもの。
中小小売商業者やそれらの組合等へを対象として支援を行う。
従来日本の法律ではフランチャイズについては言及されてこなかったが、”特定連鎖化事業”という呼び方でフランチャイズにあたるものに対して説明し、その義務等をうたっている。
中小小売商業の振興指針は経済産業大臣が定める。
支援策には
商店街などの活性化に向けたハード整備事業への支援
中小企業基盤整備機構による高度化事業(この高度化事業計画には、連鎖化事業(ボランタリーチェーン事業、フランチャイズチェーン事業)についての計画なども含まれる。)
などがある。
高度化事業は
商店街振興組合、事業協同組合、特定会社等が上記の方針等に基づいて高度化事業計画の策定、申請し
都道府県知事等(④電子計算機利用経営管理計画及び⑤連鎖化事業計画は経済産業大臣)の認定を受けて実施される。
担当大臣等まとめ
基本方針・指針 | 中間 | 認定機関 | その他 | |
経営力向上計画 | 経済産業大臣 | 主務大臣が事業分野別指針を作る | 主務大臣 | ★主務大臣が唯一指針 ★中小企業成長促進法関連には主務大臣が関わる |
経営革新計画 | 主務大臣 | 都道府県知事等 | 都道府県が進捗チェック ★中小企業成長促進法関連には主務大臣が関わる |
|
事業継続力強化計画 | 経済産業大臣 | 経済産業大臣 | ||
地域経済牽引事業計画 | 主務大臣 | 都道府県・市区町村が基本計画 | 都道府県知事等 | ★都道府県が唯一基本計画 ★中小企業成長促進法関連には主務大臣が関わる |
先端設備等導入計画 | 経済産業大臣 | 市区町村が基本計画 | 市区町村 | ★市区町村(都道府県含まない)が唯一 |
中心市街地活性化基本計画 | 内閣総理大臣 | 市区町村が基本計画 | 内閣総理大臣 | 計画主体が市区町村 ★内閣総理大臣唯一 |
認定特定民間中心市街地活性化事業計画 | – | 上記に基づき | 主務大臣 | 計画主体が民間 ★運営母体が全閣僚のため |
商店街活性化支援事業計画 | 経済産業大臣 | 経済産業大臣 | ||
農商工等連携(支援)事業計画 | 主務大臣 | 主務大臣 | ★唯一両方主務大臣 ★農林水産大臣等も関わるから |
|
経営発達支援計画 | (経済産業大臣が公表、明確なスキームとしての記載無し) | 経済産業大臣 | ||
高度化事業計画(中小小売商業振興法) | 経済産業大臣 | 都道府県知事等 | ★承認に都道府県知事が絡む(高度化事業は中小小売商業振興法だけではない) |
基本的に「経済産業大臣」なので、例外パターンを覚える。
融資
新創業融資制度(1-18)
新たに事業を始める者(税務申告を2期おえていないもの)は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資本を確認できることが必要。
無担保、無保証人で貸付限度額は3000万円(運転資金は1500万円)
日本政策金融公庫による
女性、若者/シニア起業家支援資金
新政策公庫
女性(年齢制限なし)・若者(35歳未満)・高齢者(55歳以上)のうち新規開業しておおむね7年以内のものを優遇金利で支援する融資制度。
日本政策金融公庫による。貸付対象は、設備資金および運転資金
セーフティネット貸付制度
一時的に資金繰りに支障をきたしているが、中長期的には回復が見込まれる中小企業・小規模機事業者に対して日本政策金融公庫が融資を行う制度。
・金融環境変化対応資金(金融機関との取引状況の変化により一時的に資金繰りに困難をきたしているものの、中長期的には回復が見込まれるもの)
・経営環境変化対応資金(社会的・経済的環境変化により、一時的に売上高や利益が減少しているものの、中長期的には回復が見込まれるもの)
・取引企業倒産対応資金(関連企業の倒産により経営に困難をきたしているものを対象とする)
ABL保証制度(流動資産担保融資保証制度)(29-12)
中小企業者が保有している売上債権・棚卸資産を担保として金融機関が融資を行う際に、信用保証協会が債務保証を行う制度
保証限度額は2億円で、保証割合は80%。(つまり借入限度額は2億5千万円)
保証人は法人の代表者がなる必要がある。
電子記録債権も担保の対象となる。
小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経融資)(30-17)
対象:商工会・商工会議所の経営指導員による経営指導を原則6カ月以上受けている事。
(所得税・法人税・事業税・都道府県等の)税金を原則として完納していること
同一の商工会等の地区内で1年以上事業を行っている事。
制度:融資対象となる資金は設備資金・運転資金
貸付限度:2000万円(1500万円超の場合は事業計画書を作成して、1500万以下になるまで経営指導員による実地訪問を半年に1回受ける必要あり)
貸付期間:設備資金は10年以内(据置は2年以内)・運転資金は7年以内(据置は1年以内)
金利・担保・保証人:低金利、無担保、無保証人
経営改善普及事業を資金面から補完する融資制度
貸付・保証のまとめ
事業展開のための融資
新創業融資 | 女性・若者・シニア | マル経融資 | 新事業活動促進資金*あまり出ない | ||
限度額 | 全体 | 3000万 | 7200万 | 2000万 | 個人 7200万 法人 7億2千万 |
運転資金 | 1500万 | 4800万 | – | 個人 4800万 法人 2億5千万 |
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期間 | 設備 | 20年 | 20年 | 10年 | 20年 |
運転資金 | 7年 | 7年 | 7年 | 7年 | |
据え置き | 2年 | 2年 | 設備2年/運転1年 | 2年 | |
条件 | 担保 | 無 | 無 | 無 | 相談 |
保証人 | 無 | 無 | 無 | 相談 | |
利息 | 低 | 低 | 低 | 一定条件で低利率 地域資源関連は基準金利 |
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備考 | – | – | *経営革新・経営力向上・地域牽引事業・農商工連携での融資枠 |
セーフティネット貸付 (中身まで聞かれる事は少ない)
セーフティネット貸付 | 経営環境変化対応資金 | 金融環境変化対応資金 | 取引企業倒産対応資金 | |
限度額 | 全体 | 個人 4800万 中小7億2000万 |
個人 別枠4000万円 中小 別枠3億円 |
中小 別枠3000万円 個人 別枠1億5千万 |
運転資金 | – | – | – | |
期間 | 設備 | 15年 | 15年 | – |
運転資金 | 8年 | 8年 | 8年 | |
据え置き | 3年 | 3年 | 3年 | |
条件 | 担保 | 相談 | 相談 | 相談 |
保証人 | 相談 | 相談 | 相談 | |
利息 | 基準 | 基準 | 基準 | |
備考 | – |
信用保証
一般保証 | セーフティネット保証 | ABL保証★ | |
限度額 | 2億8000万円 | 別枠2億8000万円 | 2億円 |
保証期間 | 有担保 設備資金20年/運転資金7年 無担保 設備資金7年/運転資金5年 |
保証期間10年 | 保証期間1年・更新可 |
担保 | 無担保保証なら8000万円 無担保無保証なら2000万 |
無担保保証なら別枠8000万円 無担保無保証なら別枠2000万円 |
売上債権・棚卸資産 |
保証人 | 代表者 | ||
保証割合 | 80% 小規模事業者・創業者は100% |
100% | 80% |
中小企業基盤整備機構による貸付
小規模共済 | 経営セーフティ共済(倒産防止共済) | 高度化事業 | ||
限度額 | 全体 | 掛金の範囲内(7~9割) (最大2000万) |
掛金の10倍まで 最大8000万 |
限度無し (対象の8割まで) |
期間 | 設備 | 最大60カ月 | 最大7年 | 20年 |
運転資金 | 最大60カ月 | 無 | 不可 | |
据え置き | – | 6カ月 | 3年 | |
条件 | 担保 | 無 | 無 | 有 |
保証人 | 無 | 無 | 有 | |
利息 | 低利子 (一般だと1.5%) |
無 | 低利子 | |
備考 | 直近、コロナ関連は無利子化 | 12か月以上納付していれば1年の借り入れも可能(掛金の7割) |
補助金・助成金
生涯現役起業支援助成金(30-20)
対象者:40歳以上の起業を行う人、事業を開始して間もない事業主
条件 :雇用創出のための募集・採用や教育訓練に関する計画を提出して認定を受ける事が必要
助成内容:事業運営のために必要となる従業員の雇入れを行う際に要した、 雇用創出措置(募集・採用や教育訓練の実施)にかかる費用
助成率は1/2、上限は150万円
*設立費用などは助成対象にはならない。
60歳以上の場合、助成率2/3、上限は200万円なる。
伝統的工芸品産業支援補助金(1-20)
振興計画:産地の特定製造協同組合等が産地全体の振興を図る計画
認定を受けると様々な支援(後継者育成・雇用調整・需要開拓など)に対する補助金が受けられる。
補助率は2/3以内、上限は2,000万円
模倣品対策支援事業(1-20)
海外で知的財産権の侵害を受けている中小企業が、模倣品田喜作費用の一部についてJETROから支援を受けることが出来る。
(申請・警告・調査などにかかる費用が対象で、訴訟費用保険の契約費用などは含まれない。)
補助率は2/3以内、上限金額は400万円まで
JAPANブランド育成支援(29-21,1-16)
全国展開や海外展開、インバウンド需要の獲得のために、中小企業等が行う新商品・サービス開発、販路開拓やブランディング等の取り組みにして補助を行う制度。
令和2年以降、単独の中小企業・小規模事業者も利用できるようになった。(4社以上の連携は必須ではなくなった)★令和2年より変更
商工会・商工会議所、組合、NPO法人等も対象。
令和3年は支援パートナーの活用が必須。
補助率は2/3以内で補助上限は500万円~2000万円(共同申請であれば1社につき500万増える)
採択3年目の場合・国内販路開拓の場合は1/2
補助金は国(経済産業局)が交付する。
令和3年から変わっているので、令和3年の試験には出にくいかも?
(過去の内容)
支援内容には「戦略策定段階への支援」と「ブランド確立段階への支援」の2段階がある。
前者の場合、市場調査や専門家の招聘、セミナー開催などの取り組みが支援対象となる。補助率は2/3で上限は200万、1年に限り支援を受ける事が可能。
後者の場合、補助率は最初の2年は2/3で、3年目は1/2で上限は各年2000万で3年間支援を受ける事が可能。
小規模事業者持続化補助金(1-17)
補助率2/3、 補助上限50万円
小規模事業者のビジネスプランに基づく経営を推進するため、経営計画を商工会。商工会議所の助言などを受けて作成し、その経営計画に基づく販路開拓の取り組みなどを支援する。
ものづくり補助金
支援対象となるのはには以下のいずれかに取り組むもの。設備投資などを支援する。
補助率は、中小企業 1/2、 小規模企業者・小規模事業者・低感染リスク型 2/3
補助額は上限1000万円(グローバル展開型は3000万円)
1.中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインで示された方法で行う革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善で、3~5年で付加価値額を年率3%、及び給与支給額+1.5%の向上、地域最低賃金+30円以上を達成できる計画である
2.「中小ものづくり高度化法」に基づく特定モノづくり基盤技術を活用した革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、3~5年で付加価値額を年率3%、及び給与支給額+1.5%の向上、地域最低賃金+30円以上を達成できる計画である
IT導入補助金
補助率1/2、上限は450万円
主にバックオフィスの効率化
補助金まとめ
生涯現役起業支援助成金 | 伝統的工芸品産業支援補助金 | 模倣品対策支援事業 | JAPANブランド育成支援 | 小規模事業者持続化補助金 | ものづくり補助金 | IT導入補助金 | |
補助上限 | 150万 | 2000万 | 400万 | 500万/1社、 最大2000万 |
50万 | 1000万 | 450万 |
補助率 | 1/2 | 2/3 | 2/3 | 2/3 | 2/3 | 1/2 | 1/2 |
備考 | 60歳以上だと2/3で上限200万 | 3年目の国内販路開拓は1/2 | 小規模企業と・低感染リスク型は2/3 |
共済
中小企業退職金共済制度(30-23)
勤労者退職金共済機構と退職金共済契約を結び、掛け金を納付する事で儲けられる従業員のための退職金制度。
掛け金は全額非課税であり、新規加入時等には掛金の一部を国が負担する。
法人であれば全額を損金算入、個人事業では必要経費として処理できる。
小規模企業共済制度
中小企業基盤整備機構が運営する。(倒産防止協会と同じ)
掛金は経営者個人の所得から控除される。
共済契約者への貸付は無担保・無保証人・低利子で行われる。
経営セーフティ共済(29-22,1-19)
中小企業倒産防止共済制度。中小企業基盤整備機構が運営する共済制度。
1年以上継続して事業を行っている中小企業で、掛金納付月数が6カ月以上ある加入者が対象。
無担保・無保証・無利子。(*この3つが揃うのは経営セーフティ共済のみ。)
貸付上限は、積み立てた掛金の10倍まで(実質8000万円まで)
取引先企業が倒産した場合、売掛金や受取手形などの回収が困難になった額と上記の額の何れか少ない方の借入が可能。
貸付を受けた場合、共済金の10分の1に相当する額が掛金総額から控除される。*
掛金は月額5000円~20万円でせっていでき、加入後増額も可能。掛け金総額が800万円まで積み立てることが出来、損金算入可能。
掛金は損金・経費と出来るが、解約には収入扱いとなる。
12か月以上で解約ができ、40カ月以上で掛金の全額が戻ってくるようになる。
(返済期間は額によるが5年~7年)
*つまりセーフティ共済は実質的には無利子ではなく、返済期間全体で10%の利子を払うのと同じこと。5000万以下なら返済期間は5年なので実質年率2%となる。
税金関連
法人税(29-23)
普通法人の法人税率は23.20%。
資本金 1億円以下の中小法人等については、年800万円以下の所得金額について19%に軽減されている。
*法人税における中小企業の範囲
また特定の事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円以下の法人)については、租税特別措置で上記の所得範囲で15%に軽減されている
交際費(30-22)
法人が支出した交際費等は全額を損金の額に算入しないが、中小法人は800万円以下の交際費等の全額損金算入、接待飲食費の50%の損金算入の選択適用が認められている。ここでの中小法人は、出資金額が1億円以下の法人もしくは資本もしくは出資を有しない法人。なお資本金が前述の基準を満たしていても、大法人(資本金5億円以上)、相互会社等の100%子会社は中小法人とはならない。
エンジェル税制
一定の要件を満たすベンチャー企業等(創業から10年以内)に対して個人投資家が投資を行った時点と当該株式を譲渡した時点において減税を受けられる制度
(出資額-2000円が所得金額から控除される、他の株式譲渡益から控除できる。また売却時に損失が発生した場合は以後3年の株式譲渡益と通算できる)
その他
法律の歴史
(*捨て問)
商工会議所法 1953年
商工会法 1960年
独立行政法人中小企業基盤整備機構法 2002年
<用語>
・デューデリジェンス・・・M&Aなどの取引の際に行われる会社の価値の調査のこと
・生業的経営・・・事業主とその家族の生活基盤の維持を重視する経営。