投資としてのレンタルスペース運営を考えてみた

不動産投資の1つとして、レンタルスペースの運営も最近では有力です。

また投資目的ではなくても、自分の持っている(もしくは借りている)不動産資産が、日中や平日は全く使っていなくてもったいない状態になっている方はいませんでしょうか。そういった場合もレンタルスペースで活用方法し、使っていない時間帯を貸出することが出来ます。

レンタルスぺ―スのプラットフォームなどに登録しておけば集客も可能なので、空いている時間を活用するだけで、毎月数万円の収益、年間では数十万の収益になるかもしれません。

ただし、賃借物件で貸し出しをする場合は法的な問題もあるので注意が必要です。

法的な問題:転貸借

まずはじめに賃貸物件であっても、レンタルスペースの開業は出来ない訳ではありません。

正当な手続きを踏めば可能になります。

しかし、賃借物件でそれを第三者に貸すということは又貸し=転貸借ということになり、無断で行うことは基本的には禁止されています。


民法:第612条(賃借権の譲渡及び転貸の制限)

1.賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。

2.賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。


なので無断ではなく、転貸借契約を結び、オーナーや管理会社の承諾を得る必要があります。

例えば以下のような”転借のフォーマット”があるので、トラブルにならないためにも書面で合意を取っておきましょう!

フォーマット

レンタルスペースの相場

では実際にレンタルスペースとして提供できるとなった場合、どれくらいの収益が見込めるのでしょうか。

レンタルスペースの1時間あたりの相場は大体以下の通りです。(平日平均~土日平均)

東京23区はこの相場より500円程度高く、地方ではこれよりも若干安い傾向にあります。

イベントスペース 20㎡ 2000~2500円
40㎡ 2500~3000円
60㎡ 3000~4000円
会議スペース 20㎡ 1500~2000円
40㎡ 2000~2500円
60㎡ 2500~3000円

*データはレンタルスペースサイト:スペースマーケット参考

当然ですが、イベントスペースは平日夜や週末利用が多く、時期的としては秋~冬のハロウィン・クリスマス・忘年会・新年会の時期の利用が多くなります。また会議向けのスペースでは平日昼間利用が多く、入社や人事異動の季節(3-5月、9-10月)に全社集会・会議・研修での利用が多くなる傾向にあります。

空いている時間帯に合わせて、どちら向けで提供していくのかを考えても良いかもしれません!

*ただし、スペースマーケットだと手数料は30%と若干高め。

坪相場とレンタルスペースを試算してみた:大阪のケース

では、レンタルスペースを実際に運営した場合、どのような収益構造になるのでしょうか。

ここでは大阪市でレンタルオフィスを行う場合を例に考えてみたいと思います。

<前提条件>

大阪のオフィス物件の坪相場は大体1坪1万円くらいです。参考:三幸エステート

またレンタルスペースとして活用できるのはおよそ1日あたり最大12時間とした場合、1カ月(30日)の最大稼働可能時間はおよそ360時間となります。

レンタル料金相場はオフィス用の料金で土日・平日のおよそ平均をとって20㎡で1700円、40㎡で2200円、60㎡で2700円とします。

*管理費用等その他の費用については一旦ないものとします。

*手数料は売上の30%とする

<試算結果>

これらの前提条件を元に試算すると以下の通りとなります。

広さ 20 40 60
賃料相場 60000/月 120000/月 180000/月
レンタル相場 1700円 2200円 2700円
損益分岐点 50時間 78時間 95時間
最低稼働率 14% 22% 26%
最大利益
(稼働率100%)
368,400円 434,400円 500,400円
稼働率50%時利益 154,200円 157,200円 160,200円

つまり20㎡ (6坪)の物件であれば、月のたった14%、50時間の貸出が出来れば、物件の賃料をペイ出来てしまいます。

意外とレンタルスペースって儲かるのでは?

実際に試算をしてみると、レンタルスペースの損益分岐点が結構低いことに気づきます。もちろん100%稼働率なんてありえないですが(笑)、稼働率50%くらいなら立地等を上手く選んで運営できればこのくらいは目指せそうですね。

もし広さで稼働率がそれほど変わらなければ、同じ稼働率50%でも投資効率としては小さいレンタルスペースの方がROIがめちゃくちゃいいので良さそうです。

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