IRRの意味と計算方法、その利用価値とは?【京大式よく分かる投資用語解説】

IRRは投資用語の中でも特に分かりづらいものだと思います。

定義を見ても良くわからず、実際に計算方法は知っていてもいまいち利用価値が分かっていないという方も多いのではないでしょうか?

そこで、この分かりにくいIRRをその利用価値が分かるように解説してみました。

IRRを一言で表すと何か?

IRRとはInternal Rate of Returnの略で日本語で内部収益率言います。

定義としては「投資期間のキャッシュフローの正味現在価値(NPV)が0となる割引率」とされます。
しかしこんな表現されても良く分かりませんよね笑。

これをもっと簡単に一言で言うと、

”毎年何%ずつ増えてお金が返ってくる投資なのか?”

という投資のリターンを表す数値す。



IRRの分かりやすい例

分かりやすい例から順番に複雑なものまで考えてみましょう。

①1000円で買った株を1年後に1100円で売却した場合

この投資では、投資したお金1000円が1年で1100円に増えて返ってきました。

つまり、1年で10%増えてお金が返ってきたのでIRRは10%となります。

②1000円で買った株を、2年後に1210円で売った場合

この場合では、投資したお金1000円が2年で1210円に増えて返ってきました。これを1年あたりで分解すると

1000円 ⇒ +10% ⇒ 1100円 ⇒ +10% ⇒ 1210円

となります。つまり、この場合も1年あたり10%ずつ増えててお金が返ってきていますよね。

なのでIRRは10%となります。

③1000円で買った株を、1年後に100円の配当を貰い、2年後に配当を100円貰って1000円で売った場合

では上記のように、お金の回収タイミングが複数ある場合はどのようになるでしょうか?

直感的に考えると、1000円の投資で1年目・2年目にそれぞれ100円ずつもらっているので10%ずつ増えている様に感じますよね?

しかし、先ほどの②のパターンでは2年間で1000円が1210円になっていましたが、こちらのパターンでは1年目と2年目の収益を足し合わせても1200円にしかなっていません。なので②よりも投資の最終的なリターンの額としては小さくなっています。

ではこの投資のIRRはいくつなのか?

結論から言うとこの投資のIRRも実際に計算してみると②と同じく10%となります。

お金の流れを追ってみると次のように考えることが出来ます。

この投資は1000円を91円と909円に分けて考えたとき、91円を1年、909円を2年間、毎年10%ずつ増やした結果である。

・91円⇒+10%⇒100円

・909円⇒+10%⇒1000円⇒+10%⇒1100円

IRRとは、毎年何%ずつ増えてお金が返ってくる投資なのか?という意味です。

今回の投資は、1年目の100円は91円が1年かけて10%増えて返ってきたものであり、2年目の1100円は909円が2年かけて1年あたり10%ずつ増えて返ってきたものですから、毎年10%ずつお金が返ってくる投資(=IRRは10%である)と考えることが出来ます。

IRRの計算方法

IRRは次のような式で計算されます。

CFnをn年目のキャッシュフローとしたとき、上記の式を満たすときのrである。

ちょっとよくわからないですよね笑。

ですが安心してください。IRRはエクセルで超簡単に計算することが出来ます。

エクセルにはIRR関数というIRRを計算するためだけの関数があります。

このIRR関数を使えば、「=IRR(キャッシュフローを表すセルの範囲)」とするだけで計算可能です。

例えば上記画像では、最初に1000円投資し、1年後に500円、2年後に600円、3年後に100円ずつ収益を生む投資のIRRを計算しています。



なぜIRRが重要なのか?

では次に、なぜIRRが重要なのかを考えます。

これには様々な解があると思いますが、その一つの解は中長期的なリターンに大きく影響するからです。

例えば、次の様な投資があるとします。

A:1000円が1年目に500円・2年目に600円・3年目に100円返ってくる投資
B:1000円が1年目に700円・2年目に300円・3年目に200円返ってくる投資

そして、AかBの投資どちらかの投資を行い、返ってきたお金も即同じ投資に再投資するとします。
これを10年間行った場合、どちらが多くなるでしょうか?

3年間のトータルリターンでみると1200円で同じではあります。(つまりROIではどちらも120%)

そして再投資を考えるとできるだけ早く回収できるほうが好ましいことは、投資家の方であれば何となく分かるでしょう。

しかし2年目までではAの方が回収額が多いのですが、1年目までではBの方が回収額が多く、タイミングだけでは区別がつきません。

そこでIRRが必要となります。A、BのそれぞれのIRRを計算すると

Aは11.72%、Bは12.48%となります。

つまり、Aは1年あたり11.72%の投資、Bは1年あたり12.48%の投資ということになります。

そうであるとすれば、Bで10年間投資をした方がリターンが大きいと分かりますよね?

IRRが違うと10年でこんなに差が出る

実際に先ほどの例で10年間投資すると、IRRの1%にも満たないこの差は大きく出ます。

具体的に10年間再投資をした際のシミュレーション結果がこちら

<条件>

・回収したお金は直ぐに再投資を行う。
・10年後に投資回収が完了する様に8回目の投資までを行う。

この場合、Aでは最終的な利益額(10年後のトータル損益)が1550円になっているのに対し、Bでは最終的な損益が1705円となっています。

これが1%にも満たないIRRの差によって生じる結果です。

つまり、同じROIでもIRRが高い良いことが分かります。

実際のビジネス・投資における考え方

実際のビジネスや投資では、案件ごとに投資期間や回収のタイミングは様々です。

毎年少しずつお金が入ってくるものもあれば、数年後にまとめて返ってくるものもあります。

そして、それらは全てIRRという考え方によってそのリターンを等しく評価することが出来ます

IRRが高い投資をしていくことにより、中長期的に利益を最大化させることが出来るのです。

このIRRの考え方、使い方に関して、この記事が多くの方の理解の助力になれば幸いです。

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かつて高度経済成長を経験した日本ですが、今は会社も成長しなければ、給料も上がらず、おまけに年金もあまり期待できないというかなり苦しい状況です。

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